ゴーストサイトメトリー®技術の細胞治療製品の製造工程における品質管理への応用に関する論文の発表
シンクサイト株式会社の寺西一生 プロダクトマネジャー、同 我妻慶祐 上級研究員、アステラス製薬株式会社の高橋真也 プロセスエンジニアリング研究室マネジャー、同 山口秀人 研究所長、東京大学先端科学技術研究センターの太田禎生 准教授らの共同研究グループによる論文が、本年9月19日号のScientific Reportsに掲載されました。 近年、細胞治療と呼ばれる、細胞を用いた新しい治療法の利用が急速に拡大しています。複雑な細胞治療製品の製造工程の中で、細胞の品質を管理するために、様々なQC: Quality Controlテストを組み合わせて行う必要があります。このQCの一つに、大量の検体を高速に検査できる、蛍光細胞標識を用いたフローサイトメトリー技術がよく用いられています。しかしながら、蛍光標識作業には経験者によるオペレーションが求められ、製造コストの増加や分析のばらつきを伴いやすく、完全自動化は容易ではありません。 本研究では、細胞形態情報に基づき無染色で細胞を解析するラベルフリーゴーストサイトメトリー®技術を搭載した、シンクサイト社のAI駆動型ラベルフリーソーター研究装置を用いて、細胞治療製品の製造工程QCへの実装可能性を検証しました。その結果、本報において、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)とデブリス、PBMC中の生細胞と死細胞、生細胞と初期アポトーシス細胞/死細胞、白血球中のT細胞および非T細胞、PBMC中の活性化T細胞および静止T細胞、PBMCとサンプルに混入した微粒子に対して、非標識で詳細な細胞形態情報に基づいた優れた分類性能と、定量計測能力が実証されました。 以上より、ラベルフリーゴーストサイトメトリー®技術が、細胞治療製品の製造工程の様々なステージにおいて、蛍光細胞標識を伴わずに、細胞ダメージが極めて小さい条件で、細胞数のモニタリング、生存率の評価、特定の細胞サブセットや表現型の同定、細胞治療製造中の不純物の検出などのQCに活用できることが示されました。 シンクサイトのゴーストサイトメトリー®技術は、細胞治療製品の製造において、完全自動化によるコスト削減や製造効率向上に貢献できるものと期待されます。 ■ 論文情報 <タイトル> Label-free ghost cytometry for manufacturing of cell therapy products <著者名> Kazuki Teranishi, Keisuke Wagatsuma, Keisuke Toda, Hiroko Nomaru, Yuichi Yanagihashi, Hiroshi Ochiai, Satoru Akai, Emi Mochizuki, Yuuki Onda, Keiji Nakagawa, Keiki Sugimoto, Shinya Takahashi, Hideto Yamaguchi, Sadao Ota <雑誌> Scientific Reports <DOI> 10.1038/s41598-024-72016-8
シリーズCで合計45億円の資金調達を完了
‐ VisionSort™の好調な販売を受け、グローバル市場での展開を加速 ‐ AI駆動型のイメージ認識型高速セルソーティング技術であるゴーストサイトメトリー(以下、「GC技術」)の研究開発及び実用化を進めるシンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、株式会社脱炭素化支援機構、KIRIN・GB投資事業有限責任組合およびSMBCベンチャーキャピタル7号投資事業有限責任組合を引受先とする16.5億円の第三者割当増資を実施し、さらに株式会社日本政策金融公庫から5.0億円の借入を行い、総額21.5億円の資金調達を完了しました。そのため、昨年11月に実施したファーストクローズと併せて、シリーズCの調達額が合計約45億円となりました。また、今回の資金調達により、助成金も含めた当社のこれまでの累計調達額は111.5億円となります。 ■ 資金調達の背景及び目的 当社は、2016年2月の設立以降、独自に開発したGC技術の研究開発を行ってきました。従来技術では、単一細胞から取得する情報量と分離スピードを両立させることが困難でしたが、革新的な高速イメージング技術と機械学習、マイクロ流体技術を融合したGC技術により、新たな細胞に関する研究が可能となり、革新的な治療や検査診断の実現に繋がります。 この技術を搭載したVisionSort™の販売を昨年6月に開始して以来、大手製薬企業・バイオテック企業や著名な大学・研究機関等への納入が進み、グローバル市場で好評を得て、販売は好調に推移しております。 今回の資金調達により、VisionSort™のグローバル市場での販売・マーケティング体制の更なる強化を図り、より多くの製薬企業・バイオテック企業や研究機関への導入を目指してまいります。同時に、当社が有する技術的な強みを生かした新たな製品開発やVisionSort™で取得できる膨大な細胞形態情報データを活用した新たなサービスの開発を積極的に進めて参ります。 ■ 引受先 株式会社脱炭素化支援機構(https://www.jicn.co.jp/) KIRIN・GB投資事業有限責任組合(運営者:グローバル・ブレイン株式会社、https://globalbrains.com/) SMBCベンチャーキャピタル7号投資事業有限責任組合(運営者:SMBCベンチャーキャピタル株式会社、https://www.smbc-vc.co.jp/) ■ 借入先 株式会社日本政策金融公庫(https://www.jfc.go.jp/) ■ シンクサイト株式会社 シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要 社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte K.K. 所在地 東京都文京区本郷7-3-1 代表取締役 勝田 和一郎 設 立 2016年2月 URL https://thinkcyte.com/ ■ 報道関係のお問い合わせ先 シンクサイト株式会社 03-3868-2520 info@thincyte.com 担当:大月
新たな提携プログラムの開始
シンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、医薬品および診断ツールを扱う企業に向けた、新たな提携プログラムを開始しました。このプログラムは、ライフサイエンス分野において人工知能(AI)ベースのアプローチから新規治療法の研究開発を加速させることを目的としています。このプログラムは、疾患プロファイリング・バイオファーマ・AIといった三つの戦略的プラットフォームから構成され、それぞれの業界パートナーとの協業を強化し、共同研究などを通してヘルスケアにおける新たな知見の蓄積を企図しております。 疾患プロファイリング・プラットフォーム:リキッドバイオプシーの中でも、疾患マーカーの測定/治療モニタリング/治療反応性の予測/微小残存病変モニタリングなどの評価ツールを、パートナー企業と共同開発する機会を提案します。 バイオファーマ・プラットフォーム:例えば、細胞治療の開発プロセスにおいて細胞に人工的な修飾を施さない手法を導入する/CRISPRシステムを用いたゲノムワイドの標的分子探索を目的とした、ハイコンテントな表現型スクリーニングアッセイを構築する/細胞形態のプロファイリングを基に、最適な細胞株を効率的に選抜する、など各製薬企業のニーズに応じた協業を志向しております。 AIプラットフォーム:病態細胞の形態や機能および遺伝子情報と臨床情報を結びつける「オミックス」解析の取り組みを拡大し、より網羅性の高い創薬ターゲット探索を目指す医療機関との共同研究を志向しております。 ■ 本リリースに関するコメント シンクサイト 最高事業責任者(CBO) Janette Phi ヘルスケアにおける進歩や新たな発見の可能性を最大限に高めるには、柔軟な思考で革新的技術を取り入れていくことが必要です。当社の新しい提携プログラムは、AIベースの新規アプローチによって自身の研究ポテンシャルを高めたいと考えるグループにとって、当社の技術をより利用しやすくなるよう設計されております。 ■ シンクサイト株式会社 シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要 社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte K.K. 所在地 東京都文京区本郷7-3-1 代表取締役 勝田 和一郎 設 立 2016年2月
網膜細胞を対象とした共同研究に関する論文の発表
神戸市立神戸アイセンター病院の髙橋政代 研究センター顧問、万代道子 研究センター長、岩間康哲 研究員、東京大学先端科学技術研究センターの太田禎生 准教授、シンクサイト株式会社の能丸寛子 主任研究員らの共同研究グループによる論文が、本年1月4日号のStem Cell Reportsに掲載されました。なお、本共同研究は、理化学研究所の網膜再生医療研究開発プロジェクトでスタートし、神戸市立神戸アイセンター病院に引き継ぎ、進められてきました。 本共同研究では、シンクサイトの細胞形態情報に基づくAI駆動型ラベルフリーソーティング(ゴーストサイトメトリー®)技術を搭載した研究段階の装置を用いて、ヒトES/iPS細胞から作製した網膜オルガノイドにおける網膜前駆細胞(RPC)集団の純度を、ラベルフリーで高めるための技術開発を進めてまいりました。 本報ではまず、網膜前駆細胞のマーカー遺伝子の発現により蛍光を発するES細胞由来のRPCを用いて、蛍光分子の発現を正解ラベルとして、細胞形態情報から機械学習モデルを作成しました。次に、その学習モデルを用いて、iPS細胞由来網膜オルガノイドからRPCをラベルフリーソーティングすることでRPCの純度が向上し、移植に十分な大きさの網膜スフェロイドが作製されました。さらに、iPS細胞由来網膜スフェロイドの一部を網膜変性症モデルラットに移植すると、その移植片から正常な視細胞が成熟しました。以上の結果から、特定の細胞表面抗原を持たないRPCに対し、ゴーストサイトメトリー®技術を用いて、人工的な細胞ラベルを施さずにソーティングできることが示されました。 シンクサイトのゴーストサイトメトリー®技術は、網膜変性疾患における移植用細胞の製造並びに移植前検査プロセスを改善し、治療成績に優れた移植用細胞の開発に貢献できるものと期待されます。 ■ 共同研究グループ 岩間 康哲 神戸市立神戸アイセンター病院 研究センター 研究員 大阪大学大学院医学系研究科 脳神経感覚器外科学(眼科学) 大学院学生 (理化学研究所 生命機能科学研究センター 網膜再生医療研究開発プロジェクト (研究開始時) / BZP眼科領域遺伝子細胞治療研究チーム (現在)) 能丸 寛子 シンクサイト株式会社 応用研究部 主任研究員 増田 智浩 神戸市立神戸アイセンター病院 研究センター 研究員 (理化学研究所 生命機能科学研究センター 網膜再生医療研究開発プロジェクト (研究開始時) / BZP眼科領域遺伝子細胞治療研究チーム (現在)) 河村 踊子 シンクサイト株式会社 応用研究部 応用マイクロ流体グループ長 松村 みちる 神戸市立神戸アイセンター病院 研究センター 研究員 (理化学研究所 生命機能科学研究センター 網膜再生医療研究開発プロジェクト (研究開始時)) 村田 友里 シンクサイト株式会社 応用研究部 研究員 寺西 一生 シンクサイト株式会社 事業開発部 プロダクトマネジャー 西田 幸二 大阪大学大学院医学系研究科 脳神経感覚器外科学(眼科学) 主任教授 太田 禎生 シンクサイト株式会社 CSO 東京大学 先端科学技術研究センター 准教授 万代 道子 神戸市立神戸アイセンター病院 研究センター長 (理化学研究所 生命機能科学研究センター 網膜再生医療研究開発プロジェクト 副プロジェクトリーダー(研究開始時)) 髙橋 政代 神戸市立神戸アイセンター病院 研究センター顧問 (理化学研究所 生命機能科学研究センター 網膜再生医療研究開発プロジェクト プロジェクトリーダー (研究開始時)) ■ 論文情報 <タイトル> Label-free enrichment of human pluripotent stem cell-derived early retinal progenitor cells for cell-based regenerative therapies <著者名> Yasuaki Iwama, […]
総額約33億円の資金調達を実施
‐ AI駆動型の次世代細胞分析分離装置のグローバル市場での販売を加速 ‐ AI駆動型のイメージ認識型高速セルソーティング技術であるゴーストサイトメトリー(以下、「GC技術」)の研究開発及び実用化を進めるシンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、野村スパークス・インベストメント株式会社が資産の運用を受託している日本グロースキャピタル投資法人をリード投資家とし、下記の投資家を引受先とする約23億円の第三者割当増資を実施しました。この第三者割当増資と、本年9月に採択されたNEDOの助成金を合わせた今回の資金調達額は合計33億円となり、助成金を含めたこれまでの累計調達額は90億円となります。 ■ 資金調達の背景及び目的 当社は、2016年2月の設立以降、独自に開発したGC技術の研究開発を行ってきました。従来技術では、単一細胞から取得する情報量と分離スピードを両立させることが困難でしたが、革新的な高速イメージング技術と機械学習、マイクロ流体技術を融合したGC技術により、新たな細胞に関する研究が可能となり、革新的な治療や検査診断の実現に繋がります。本年6月には、GC技術を搭載した次世代細胞分析分離装置であるVisionSort™の販売を開始し、グローバル市場での営業・マーケティング活動を積極的に展開しています。既に米国の著名な研究機関への販売・納入を完了し、今後は更に多くの大手製薬企業・バイオテック企業や著名な大学・研究機関等への納入を予定しています。 今回の資金調達により、VisionSort™の量産体制の整備と、北米、欧州およびアジアにおける販売体制の強化を図り、グローバル市場でのGC技術の浸透を図っていきます。また、VisionSort™に続く製品や、新たなサービスの開発を進め、革新的な製品やサービスを継続的に市場に投入していく方針です。 ■ 引受先 リード投資家 日本グロースキャピタル投資法人(https://www.nomura-sparx-investment.com/) 新規投資家 三井住友信託銀行株式会社 豊田合成株式会社(https://www.toyoda-gosei.co.jp/) 東京センチュリー株式会社(https://www.tokyocentury.co.jp/jp/) 個人投資家2名 既存投資家 ジャパン・コインベスト3号投資事業有限責任組合(運営者:三井住友トラスト・インベストメント株式会社、https://www.smtic.jp/) テクノロジーベンチャーズ5号投資事業有限責任組合(運営者:伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社、https://www.techv.co.jp/) リアルテックファンド3号投資事業有限責任組合(運営者:合同会社リアルテックジャパン、https://www.realtech.holdings/) ■ シンクサイト株式会社 シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要 社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte K.K. 所在地 東京都文京区本郷7-3-1 代表取締役 勝田 和一郎 設 立 2016年2月 URL https://thinkcyte.com/ ■ 報道関係のお問い合わせ先 シンクサイト株式会社 03-3868-2520 info@thinkcyte.com 担当: 大月
シンクサイトとFIMMが血液がん病態の把握および治療法の発展に向けた研究提携を発表
シンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)とヘルシンキ大学フィンランド分子医学研究所(本部:フィンランド共和国ヘルシンキ、FIMM: Institute for Molecular Medicine Finland)は、血液がん病態の把握と治療法の発展を目的とした、戦略的な研究提携を発表しました。この提携は、シンクサイトの新しいAI駆動型細胞分析・分離装置であるVisionSort®と、FIMMの有する、世界的に評価の高い臨床情報と紐づいた白血病サンプルのデータベース、および創薬スクリーニングの専門性を組み合わせることにより、白血病やその他の血液がんの治療に関する新たな知見を探ることを目的としております。 FIMMは、治療段階(診断時、寛解時、再発時など)の異なるタイムポイントで採取された、広範な白血病患者の臨床検体を含む国立のバイオバンク(フィンランド血液バイオバンク)を運営しています。様々なタイプの血液がんにおいて細胞形態の変化を捉えることにより、治療法の選択、病状進行のモニタリング、あるいは新規薬剤標的の同定などに役立てることを目指しています。 ■ 本リリースに関するコメント フィンランド分子医学研究所 研究ディレクター Caroline Heckman 血液がんの治療法は近年進歩しているものの、その病態は複雑かつヘテロであり、未だ解明できていないことが多くあります。AIをベースに細胞形態の変化を解析できるシンクサイト社の技術と、私たちの厳選された患者検体データベースや血液がん研究の専門性を組み合わせることで、全く新たな切り口でこれらの疾患研究に臨むことができるでしょう。 シンクサイト 最高事業責任者(CBO) Janette Phi 革新的なアプローチによって血液がん病態を把握し、患者さんの治療に大きなインパクトを与え得るグローバルリーダー、FIMMとの研究提携に大きな期待を寄せています。この提携から得られる知見は他の多くの疾患に応用可能であり、研究開発の新たなアプローチにつながることを楽しみにしています。 ■ フィンランド分子医学研究所について フィンランド分子医学研究所(FIMM)は、ヘルシンキ大学生命科学研究所(HiLIFE)傘下の独立研究機関であり、EMBL北欧分子医学パートナーシップのメンバーです。健康の増進および疾病要因の解明を目的に、患者や特定集団を対象とした革新的な研究を使命としており、フィンランド内外のヘルスケアの安全性、有効性、効率性の向上を目指しています。詳しくは、FIMMのウェブサイト(www.helsinki.fi/en/hilife-helsinki-institute-life-science/units/fimm)をご覧ください。 ■ シンクサイト株式会社 シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要 社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte K.K. 所在地 東京都文京区本郷7-3-1 代表取締役 勝田 和一郎 設 立 2016年2月 URL https://thinkcyte.com/
順天堂大学、シスメックス、シンクサイトが慢性骨髄性白血病の早期発見および病態解明に向けた共同研究を開始
順天堂大学(所在地:東京都文京区、学長:新井 一)とシスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役社長:浅野 薫)とシンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、慢性骨髄性白血病(CML)の早期発見および病態解明に向けた共同研究契約を締結しました。本共同研究では、機械学習(AI)と先端光学技術を利用した新規細胞分析分離技術であるゴーストサイトメトリー技術の活用により、新しい診断技術および治療の提供を目指します。 これまで三者は、ゴーストサイトメトリー技術を搭載した開発段階の装置を用いて、CML細胞と正常な白血球の相違を、従来からの蛍光染色を必要としないラベルフリーで捉えるための技術開発を共同で進めてまいりました。 本共同研究では、蛍光染色を使わない既存の技術では正常血球との鑑別が困難であったCML細胞集団を新しいアプローチで同定し、分取を行う予定です。これにより少量の腫瘍細胞の検出や、既存の薬剤に耐性を示すメカニズムを解明する事を目指し、白血病の新たな診断法や治療薬の開発に貢献することが期待されます。 本共同研究の一部は、中小企業庁の「成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)」の支援を受けて実施されます。 ■ 本リリースに関するコメント 順天堂大学大学院医学研究科血液内科学 准教授 高久 智生 チロシンキナーゼ阻害薬の開発により慢性骨髄性白血病患者の予後は大きく改善するも、いまだに多くの患者で薬剤の中止は困難であるのが現状です。このため、本研究の目的である早期発見、および治癒を目指した新規治療薬の開発は、高額な薬剤費や日々の副作用に悩む多くの患者さまにとって大きな福音となります。本研究は、新たなアプローチによりCML患者さまの診断・治療に直接的に役立つ、数多くの知見を生み出すものであることを確信しております。 シスメックス株式会社 取締役 常務執行役員 CTO 吉田 智一 ゴーストサイトメトリーはこれまでにない新しい細胞解析技術の可能性があり、本共同研究の推進によって、慢性骨髄性白血病の診断や治療が大きく発展するものと信じています。シスメックスは、診断領域において培った細胞測定技術の知見を活かし、順天堂大学およびシンクサイト社とともに、CML患者様のお役に立てる価値を創出するために、研究開発を進めてまいります。 代表取締役 勝田 和一郎 当社の技術にいち早く注目いただいた順天堂大学およびシスメックス社と、アンメットメディカルニーズのある領域で共に研究を推進できることを嬉しく思います。私たちは、ゴーストサイトメトリー技術が新たな診断や治療法開発への革新的なアプローチになり得ると確信しており、本共同研究の成果を楽しみにしています。 ■ 順天堂大学(https://www.juntendo.ac.jp/)について 順天堂大学は、「不断前進」の理念のもとに学是「仁」を大切にしながら、出身校、国籍、性別の差別のない“三無主義”を学風として掲げ、8学部4研究科6附属病院からなる「健康総合大学・大学院大学」として教育・研究・医療そしてリベラル・アーツを通じて国際レベルでの社会貢献と人材育成を進めております。 ■ シスメックス株式会社(https://www.sysmex.co.jp/)について シスメックスは、グループ企業理念「Sysmex Way」において「ヘルスケアの進化をデザインする。」をミッションに掲げ、医療の発展と人々の健やかな暮らしに貢献しています。血液や尿などを採取して調べる検体検査に必要な機器・試薬・ソフトウェアの研究開発から製造、販売・サービス&サポートを一貫して行っており、190以上の国や地域の医療機関へ製品をお届けしています。近年は、ライフサイエンス領域へと事業を拡大しており、独自のテクノロジーを用いて新たな検査・診断価値を創出し、一人ひとりに最適な医療の実現や、患者さんの負担軽減・QOL向上に貢献することを目指しています。 ■ シンクサイト株式会社 シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要 社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte K.K. 所在地 東京都文京区本郷7-3-1 代表取締役 勝田 和一郎 設 立 2016年2月 URL https://thinkcyte.com/
シンクサイト社が米国拠点を拡張移転
AI駆動型の細胞形態ソーティング技術であるゴーストサイトメトリーの研究開発を行うシンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、急速な成長に対応し、同地域の豊富なバイオテクノロジーに関するリソースを活用するため、米国拠点(ThinkCyte Inc.)をカリフォルニア州レッドウッドシティに移転することを発表しました。新社屋は、最先端のライフサイエンス企業向けに開発された、Redwood Lab and Innovation Focused Environment(Redwood LIFE、http://redwood-life.com)複合施設内に設置されます。 この新たな米国拠点は、従来に比べて4倍程の規模に拡大し、東京本社と連携しながら当社のグローバルでの長期的な事業成長を更に推進します。 主力製品であるVisionSort™の発売開始にあたって、当社は成長を加速しており、新社屋は今後数年間の継続的な成長を支えます。当拠点には、最新のオフィス機能と実験スペースに加え、顧客向けにVisionSort™をデモ使用いただくためのエリアを設け、顧客が直接装置を利用することで、蛍光及びラベルフリーの形態情報に基づいて細胞をソーティングする機能を体験することが可能です。 ■ 本リリースに関するコメント 最高執行責任者 兼 ThinkCyte Inc.社長 長堀 晃 サンフランシスコ・ベイエリアにおいて我々のプレゼンスを引き続き拡大していく方針は、当社の成長戦略に適うものであります。この地域は、ライフサイエンスの研究機関や製薬企業の研究開発の中心地であり、多様な人材が集まってイノベーションを生み出す、大きなポテンシャルを有しています。この新しい環境において、事業上のオペレーション、アプリケーション開発、カスタマーサポートといった機能をさらに充実させ、現在および将来のお客様へのサービス向上に貢献してまいります。 ■ シンクサイト株式会社 シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要 社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte K.K. 所在地 東京都文京区本郷7-3-1 代表取締役 勝田 和一郎 設 立 2016年2月URL https://thinkcyte.com/
2023 American Association for Cancer Research (AACR) Annual Meeting出展のお知らせ
シンクサイトは、2023年4月14日から4月19日までフロリダ州オーランドで開催されるAACR Annual Meetingにおいて、当社の次世代細胞分析・ソーティング装置であるVisionSort™を出展します(ブース番号962)。 ご参加の際は、弊社のブースにもぜひお立ち寄りください。
シンクサイト社が世界初のAI駆動型細胞分析・分離装置「VisionSort™」を公開
シンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、本年2月25日から3月1日にかけてカリフォルニア州サンディエゴで開催されたSociety for Laboratory Automation and Screening(SLAS)会議において、新しい細胞分析・分離装置であるVisionSort™の販売開始を発表しました。本会議では、VisionSort™およびその基盤技術であるゴーストサイトメトリーが、それぞれベストニュープロダクト賞およびイノベーション賞のファイナリストに選定されました。 VisionSort™は、細胞の形態的特徴に基づいたAI駆動型の細胞分析技術であるゴーストサイトメトリーに加え、従来の蛍光フローサイトメトリーの機能を併せ持つ、初めてのセルソーターです。この両機能を駆使することで、形態的特徴と既知のマーカーを組み合わせた情報を基に細胞を分析するだけでなく、注目した細胞集団を、その遺伝子情報や機能を調べるために分離することもできます。 ゴーストサイトメトリー技術へのアクセスは、当社のEarly Access Programという形で昨年初めて発表されました。本プログラムには、細胞治療に関する研究開発、疾患プロファイリング、創薬等の領域において、バイオ医薬品業界の主要なパートナー企業や研究機関に参加いただいております。これらのうち一機関から、SLAS会議において、ゴーストサイトメトリーを用いた白血病患者由来細胞の新たな分類手法に関するデータが発表されました。 ■ 本リリースに関するコメント 当社 最高事業責任者 Janette Phi VisionSort™は、これまでの細胞分析・分離手法とは全く次元の異なる装置です。細胞形態のイメージングと従来の蛍光シグナル検出機能を組み合わせて得られたデータから、AIの力で隠れていたパターンを掘り起こすことによって、細胞の表現型と疾患の新たな関連性が見出されることが期待されます。 ■ シンクサイト株式会社 シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要 社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte K.K. 所在地 東京都文京区本郷7-3-1 代表取締役 勝田 和一郎 設 立 2016年2月 URL https://thinkcyte.com/
2023 Society for Laboratory Automation and Screening (SLAS) International Conference and Exhibition出展のお知らせ
シンクサイトは、2023年2月26日から3月1日までカリフォルニア州サンディエゴで開催されるSLAS International Conference and Exhibitionにおいて、当社の次世代細胞分析・ソーティング装置であるVisionSortを出展します(ブース番号1854)。なお、本イベントでは、2月27日午後4時(現地時間)から行われるInnovation Award Showcaseにおいて、VisionSort とCRISPRシステムを組み合わせた最新の表現型スクリーニングについて、当社のプレゼンテーションが行われる予定です。ご参加の際は、弊社のブースにもぜひお立ち寄りください。
Diether Recktenwald博士とBo Saxberg博士がシンクサイト社のサイエンティフィックアドバイザーに就任
AI駆動型の細胞形態ソーティング技術であるゴーストサイトメトリーの研究開発を行うシンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、本日、Diether Recktenwald博士とBo E. H. Saxberg博士が上級科学諮問委員(SAB)に就任したことをお知らせします。両氏の持つ、フローサイトメトリー(FCM)の市場、製品開発戦略、そして臨床応用に関する豊富な知見を活用し、当社SAB体制の強化を図ります。 Recktenwald博士は、FCM装置の開発において幅広いキャリアを有します。ザールラント大学で化学の学士号および修士号、ドイツのルール大学ボーフムで生物学の博士号を取得した後、博士研究員としてスタンフォード大学で細胞生物および生物物理研究に従事しました。その後、ベクトンディッキンソン・バイオサイエンシズ社において30年以上研究開発に従事し、FCMシステムの研究開発担当役員として、新規FCMシステムの開発や、試薬その他の消耗品に関する製品群の開発を主導しました。また、産業・環境バイオサイエンス部門のディレクターとして、新興市場向けのFCM検出法の開発を担当しました。最終的に、先端技術担当副社長として、新規FCM技術および関連製品の後期開発を指揮した経験を持ちます。 Saxberg博士は、製薬企業、アカデミア、公的研究機関において優れたキャリアを有します。ハイスループットFCMのパイオニアであるIntelliCyt社の創業時の投資家であり、後に取締役会議長を務めるなど、医薬品や診断薬、および関連技術の開発推進に貢献してきました。同氏は、ワシントン大学で数学および化学の優等学士号を取得し、その後英国ケンブリッジ大学で物理学の優等学士号/修士号、ハーバード大学で医学士(M.D.)、マサチューセッツ工科大学で物理学の博士号を取得しました。イーライ・リリー社では情報科学担当ディレクターとして、新技術と製薬業界の接点となるイノベーションプロジェクトを主導しました。また、ジョンソン・エンド・ジョンソンのアドバンスト・コミュニケーション部門における広報担当副社長や、デジタルヘルスケア分野の潜在性に着目して2000年に設立されたジョンソン・エンド・ジョンソンの子会社である、eJNJやLLCのアドバンスト・コミュニケーション兼新規事業開発部門の担当副社長として活躍した経験を持ちます。 ■ 本リリースに関するコメント Recktenwald博士 シンクサイトのビジョンを実現すべく、アドバイザリーボードのメンバーとして、優秀なチームと一緒に働くことを楽しみにしています。従来のFCM機能にAI駆動の細胞形態解析技術を組み合わせた当社の手法は、生命科学研究の分野で新たな可能性を提供するでしょう。 Saxberg博士 シンクサイト独自の細胞形態解析およびソーティング技術は、この業界における重要な進歩であることから、アドバイザリーボードに就任することを受諾しました。斬新な細胞イメージング技術と、特徴的な細胞集団をあぶり出すAI機能を組み合わせることで、細胞の表現型と疾患の関連について、全く新しい視点を提供できるでしょう。 最高事業責任者 Janette Phi 業界のエキスパートである両氏が、分野横断的な専門性を持つ当社のSABに参画することを光栄に思います。この参画により、次世代の細胞解析技術を世界に届ける、という当社のビジョンを更に推進することができるものと考えています。 ■ シンクサイト株式会社 シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要 社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte K.K. 所在地 東京都文京区本郷7-3-1 代表取締役 勝田 和一郎 設 立 2016年2月 URL https://thinkcyte.com/
シンクサイトとAxcelead DDP、新しい表現型スクリーニング技術の開発に向けた共同研究契約を締結
シンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎、以下「シンクサイト」)とAxcelead Drug Discovery Partners株式会社(本社:神奈川県藤沢市、代表取締役社長:池浦 義典、以下「Axcelead DDP」)は、この度、新しい表現型スクリーニング技術*の開発に向けた共同研究契約を締結しましたのでお知らせします。 シンクサイトは、AIを活用したイメージ認識型の高速細胞判別・分取技術であるゴーストサイトメトリーを有しており、細胞を染色することなく個々の細胞のイメージングデータを用いて細胞を判別・分取することを可能とします。この技術を用いて表現型スクリーニングを実施することで、細胞の染色が必要となる従来の表現型スクリーニングでは染色によるバイアスがかかって見出せなかった、より生体での反応性を反映したヒット化合物の創出につながることが期待されます。今回の共同研究では、Axcelead DDPが保有する150万以上の多様な化合物ライブラリと表現型スクリーニングの技術、そしてシンクサイトが持つゴーストサイトメトリーを使った先進的な評価技術によって、両社で新しい表現型スクリーニング技術を開発し、創薬スクリーニングプラットフォームの構築を目指します。 ■ 本リリースに関するコメント 代表取締役 勝田 和一郎 創薬スクリーニングのプラットフォーム事業分野をリードするAxcelead DDPとの研究提携を大変嬉しく思います。化合物ライブラリーを含むAxcelead DDPの充実した創薬インフラと、当社独自の細胞ベース表現型スクリーニング技術を融合することによって、これまで見つからなかった創薬シードが期待できるようなソリューションを提供し、創薬技術の進化に貢献していきたいと考えています。 代表取締役社長 池浦 義典 本共同研究を通じて新たな創薬スクリーニングのプラットフォームを構築することができれば、様々な細胞に対して従来の評価手法では得られなかった新規化合物を見出す可能性が高まります。私たちAxcelead DDPは、新しい創薬技術の開発に継続して取り組み、アンメットメディカルニーズを満たす画期的な医薬品の創出に貢献します。 *表現型スクリーニング:標的タンパク質を設定せずに、細胞の形態や機能上の変化を指標にして低分子、ペプチド、などの物質を探索する手法です。 ■Axcelead DDPについて Axcelead DDPは、2017年7月に武田薬品工業株式会社の創薬プラットフォーム事業を継承して事業を開始した国内初の創薬ソリューションプロバイダーです。創薬に必要なほぼ全ての機能を有し、創薬ターゲットの探索から医薬品候補化合物の最適化、さらには臨床開発への橋渡しプロセスまでの非臨床創薬研究サービスをワンストップで提供しています。 ■ シンクサイト株式会社 シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要 社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte K.K. 所在地 東京都文京区本郷7-3-1 代表取締役 勝田 和一郎 設 立 2016年2月 URL https://thinkcyte.com/
シンクサイトとPhoreMost、AIを用いた新規創薬技術開発のための研究提携を発表
シンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)とPhoreMost Limited(本社:英国ケンブリッジ、CEO:Neil Torbett)は本日、AIを活用した新規表現型スクリーニング技術の開発を目的とした戦略的提携を発表しました。この提携は、シンクサイトの細胞形態情報に基づくAI駆動型細胞分析・選別技術である「ゴーストサイトメトリー」と、PhoreMostの有する次世代の表現型スクリーニングプラットフォーム「SITESEEKER®」を組み合わせることにより、アンメットメディカルニーズの高い疾患に対する画期的治療法を見出すことを目的としています。 細胞の表現型に着目した創薬は、セルベースアッセイや標的分子探索の技術進歩によって、新薬候補の創出だけでなく、疾患メカニズムの深掘りまで可能になりました。PhoreMostのSITESEEKER®プラットフォームは、独自の「タンパク質干渉」(PROTEINi)技術に基づき、プロテオームベースで新規創薬標的を探索する技術です。生細胞の微細な表現型変化を捉えるゴーストサイトメトリーとSITESEEKER®を組み合わせることで、独自のハイコンテントスクリーニング技術の開発を目指します。この研究提携により、シンクサイトは初期探索分野への関与を深めて、PhoreMostのミッションである「Drugging the Undruggable®」に貢献することが期待されます。 ■ 本リリースに関するコメント 最高技術責任者 Benedict CrossPhoreMostは、現在の創薬アプローチに変革をもたらす計算科学的手法を採り入れました。AIを駆使して疾患に関連する細胞表現型を捉えるシンクサイトの技術と、当社のSITESEEKER®プラットフォームを組み合わせることで、より効率的に新規標的分子を発見し、質の高いfirst-in-class治療薬の創出に結びつけたいと考えています。 代表取締役 勝田 和一郎革新的なアプローチで新たな創薬技術分野の開拓をリードするPhoreMostとの研究提携を大変嬉しく思います。PhoreMostと当社がそれぞれ保有する独自の革新的プラットフォーム技術を融合することによって、重篤な疾患に苦しむ人々に確かな希望を届ける、という共通の目標に向け、創薬技術の進化に貢献していきたいと考えています。 ■ PhoreMost社についてPhoreMostは、SITESEEKER®という次世代の表現型スクリーニングプラットフォームを開発しました。がんを始めとする医療ニーズの高い疾患において、新しい治療標的を見出すことにより、多様な治療薬の創出可能性を大幅に向上させることが期待されます。SITESEEKER®は、当社のコア技術である「タンパク質干渉」技術に基づいており、ヒト遺伝子全体を対象に、生きた細胞の中で治療標的となる領域を体系的に解明します。PhoreMostは、このプラットフォームを用いて、医療ニーズの高い様々な疾患を対象とした新規創薬パイプラインを構築しています。詳しくは、Twitter @PhoreMostLtd またはLinkedIn @PhoreMostをご覧ください。 ■ シンクサイト株式会社についてシンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte K.K.所在地 東京都文京区本郷7-3-1代表取締役 勝田 和一郎設 立 2016年2月URL https://thinkcyte.com/
シンクサイトが第64回ASH年次総会・展示会でブース展示
ThinkCyte to exhibit at the 64th Annual Meeting of the American Society for Hematology (ASH) in New Orleans, LA from December 10th-13th, 2022 (Booth #1843). Exhibit will highlight the use of label-freシンクサイトは、2022年12月10日~13日に米国ルイジアナ州ニューオーリンズで開催される第64回米国血液学会(ASH)年次総会・展示会に出展します(ブース番号1843)。展示では、血液疾患の診断及びモニタリング、新たな生物学的発見に役立つラベルフリーゴーストサイトメトリーの応用例を紹介します。e cytometry to help diagnose hematological diseases, monitor treatment, and uncover entirely new biology.
ビジョンケアグループとシンクサイト、先進的細胞治療における研究提携を発表
ビジョンケアグループ(本社:兵庫県神戸市、代表取締役:髙橋 政代)と、シンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、本日、網膜組織における細胞治療の進展を目的とした研究パートナーシップを発表しました。この提携は、再生医療領域におけるビジョンケアグループの先駆的な臨床開発経験と、シンクサイトの細胞形態情報に基づくAI駆動型ラベルフリーソーティング技術を組み合わせることにより、移植用細胞の製造並びに移植前検査プロセスを向上・確立し、治療成績に優れた移植用細胞開発を実現することを目的としています。 これまで両社は、ゴーストサイトメトリー技術を搭載した研究段階の装置を用いて、目的の網膜細胞集団の純度をラベルフリーで高めるための技術開発を共同で進めてまいりました。 本提携では、移植用細胞群を対象に、新しいアプローチでのラベルフリー分類およびソーティングを試みます。独自の光学技術とAIを組み合わせたゴーストサイトメトリー技術は、従来は分離が困難だった網膜細胞集団を、既存マーカーに頼ることなく分類・同定し、ビジョンケアグループの先駆的な再生医療等製品開発に貢献することが期待されます。 ■ 本リリースに関するコメント 代表取締役 髙橋 政代 ラベルフリー分類およびソーティングはこれまでのソーティングのように抗体を必要としないことから、抗体の影響や臨床使用可能な抗体の作成などの課題を解決します。再生医療にとって必要な細胞を選択するために重要な技術となると考えています。AI駆動型ラベルフリーソーティング技術をいち早く開発したシンクサイトとビジョンケアグループの提携が再生医療を進化させることを期待しています。 代表取締役 勝田 和一郎 世界的なアンメット・メディカル・ニーズとされている、難治性の眼疾患に対する再生医療分野において、世界のトップランナーであるビジョンケアグループの革新的な研究を推進するため、当社技術が貢献できることを嬉しく思います。再生医療や遺伝子治療は急速に発展している分野であり、当社独自のラベルフリー細胞分離・分析技術は、急速に発展している再生医療・遺伝子治療分野において、品質管理や高機能な細胞の選別など様々なアプリケーションを通じて、再生医療に取り組む多くの企業に貢献できるものと確信しています。 ■ビジョンケアグループ ビジョンケアグループは、iPS細胞の臨床応用に世界で初めて成功したチームが研究・臨床・患者ケアを一体化とする神戸アイセンター構想のもと、網膜疾患の治療開発にとどまらず、視覚障害者が抱えるあらゆる問題を解決するために設立。遺伝子治療実用化に向けた株式会社VC Gene Therapy、細胞医療実用化に向けた株式会社VC Cell Therapyを目的別子会社に持ち、神戸市立神戸アイセンター病院との共同研究を進めています。 「すべての患者さんのために、あらゆる解決策を」を目指し、再生医療、遺伝子治療、ロービジョン者の就労支援に至るまで、他企業との連携を含め、シーズ育成・事業化支援に取り組んでいます。 ■ シンクサイト株式会社 シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要 社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte K.K. 所在地 東京都文京区本郷7-3-1 代表取締役 勝田 和一郎 設 立 2016年2月 URL https://thinkcyte.com/
ゴーストサイトメトリー技術を搭載したラベルフリー細胞解析・ソーティング装置に関するプレミアアーリーアクセスプログラムを発表
AI駆動型の細胞形態ソーティング技術であるゴーストサイトメトリーの研究開発を行うシンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、本日、製薬企業やアカデミアの研究機関に向けて、プレミアアーリーアクセスプログラムを発表しました。本プログラムでは、世界中のライフサイエンス研究機関から選ばれたグループが、当社の画期的なラベルフリー細胞解析・ソーティング装置を先駆けて使用できるようになります。本装置は、特定の分子を対象とした標識がなくとも、個々の細胞の形態情報に基づいて目的の細胞集団を分離することを可能にします。 本装置は、がんを対象とした細胞治療に求められる、「疲弊していない活性化T細胞」といった特定の細胞集団の分離や、既存マーカーでは検出できない細胞表現型を新たに見出すための強力なツールを、研究者の皆様に提供します。2023年に予定する本装置の上市に先立ち、当社は本プログラムを通じて当該研究機関と連携し、パートナーのニーズに特化した細胞解析・ソーティングアプリケーションを開発することで、パートナーの取り組む画期的な研究開発を加速してまいります。 本プログラムやその他当社との提携機会について、詳しくはpr@thinkcyte.comまでお問い合わせください。 ■ 本リリースに関するコメント 最高事業責任者 Janette Phi 現在、特定の機能を有する細胞の分離は、細胞の状態に影響を与える侵襲的な手法に依存しています。当社の新しい技術は、従来の蛍光マーカーに頼ることなく貴重な目的細胞の解析およびソーティングを可能にしました。これは、細胞治療、腫瘍プロファイリング、ゲノミクスなどの研究手法において新しい門戸を開くものであり、パートナーの皆様の本プログラムへのご参加を楽しみにしています。 ■ シンクサイト株式会社 シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要 社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte K.K. 所在地 東京都文京区本郷7-3-1 代表取締役 勝田 和一郎 設 立 2016年2月 URL https://thinkcyte.com/
非標識の細胞形態情報をAIで高速に判別し、目的細胞を分取する技術を開発
シンクサイト株式会社 東京大学先端科学技術研究センター 理化学研究所 シスメックス株式会社 順天堂大学 発表のポイント ・ 機械学習解析技術と高速形態計測技術を融合し、複数の細胞種が混ざった集団から、目的の細胞を非標識形態情報に基づいて、高速に判別・分取する技術を開発した。 ・ 上記技術の実用化に向けて、iPS細胞の生死などの状態、分化と未分化、がん化などの非標識判別および末梢血由来の白血球細胞主要5種の、非標識形態情報に基づいた判別を実証した。 ・ 今後、再生医療・細胞医薬での細胞製造工程における品質管理への応用や、臨床検査における細胞形態検査への応用等が期待される。 発表概要 多様な細胞集団から目的の細胞を迅速に判別して分取する技術は、生命科学の基礎研究のみならず、検体検査をはじめとする検査診断、さらには細胞治療や再生医療などの細胞自体を活用した医療において重要です。これまでに用いられてきたフローサイトメトリーは、細胞を高速で判別・分取できる有力な技術ですが、計測できる形態情報は顕微鏡に比べて少なく、また、分子マーカーを基準とする場合には蛍光標識が必要であり、その細胞毒性および標識操作の手間やコストなどが課題でした。一方、光学顕微鏡を用いれば高精細な細胞画像を取得できますが、特に多くの検体を扱う分野では、計測・解析・分取するスピードが十分ではなく、時間や労力を要してきたことが課題でした。その結果、細胞を標識せずに、その細かな形態情報から細胞の種類や状態を高速で判別し、分取する技術はこれまで確立していませんでした。 今回、太田禎生博士(東京大学先端科学技術研究センター、准教授)、鵜川昌士博士(理化学研究所革新知能統合研究センター、テクニカルスタッフ I)、河村踊子博士(シンクサイト株式会社、応用マイクロ流体グループ長)らの研究グループは、機械学習による解析技術と高速形態計測技術を融合し、非標識の細胞形態計測情報から抗体などの分子マーカーに基づいた解析結果を直接予測することにより、目的の細胞を非標識で高速に判別・分取する技術を開発しました。異なる2種の細胞株を用いて、両細胞を非標識で判別・分取する技術を実証した上で、細胞株のみならず、iPS細胞の生死などの状態、分化と未分化、がん化などの非標識判別、末梢血由来の白血球細胞主要5種の非標識判別を実証しました。 本研究は、東京大学、シンクサイト株式会社、理化学研究所、シスメックス株式会社、順天堂大学の共同研究として行われました。本研究の成果は、細胞治療、再生医療や検査診断分野において、非標識での細胞判別や分取の技術に貢献すると期待できます。 発表者名(現在) 太田 禎生 (東京大学 先端科学技術研究センター 准教授) 鵜川 昌士 (理化学研究所 革新知能統合研究センター不完全情報学習チーム テクニカルスタッフⅠ) 河村 踊子 (シンクサイト株式会社 応用マイクロ流体グループ長) 林 洋平 (理化学研究所 バイオリソース研究センターiPS細胞高次特性解析開発チーム チームリーダー) 田端 誠一郎 (シスメックス株式会社 システム技術研究所長) 髙久 智生 (順天堂大学 医学部内科学血液学講座 准教授) 佐藤 一誠 (東京大学 大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 准教授) 堀﨑 遼一 (東京大学 大学院情報理工学系研究科システム情報学専攻 准教授) 野地 博行 (東京大学 大学院工学系研究科応用化学専攻 教授) 発表内容 既に太田らによって、蛍光標識細胞の圧縮されたイメージング情報を機械学習させることにより、細胞内の異なる蛍光分布に基づき細胞集団を高速で判別する、蛍光版のゴーストサイトメトリー技術が確立されています(Ota et al, 2018, Adachi et al, 2020)。 本発表内容は、蛍光標識をせずに細胞を判別・分取できるようにゴーストサイトメトリー技術を発展させたものです。あらかじめ非標識形態情報と分子マーカーの情報を学習させた機械学習モデルを用いて、分子マーカーによる解析結果を、細胞の圧縮された非標識形態情報信号から直接予測し、目的の細胞を高速に判別・分取する技術を開発しました。本手法を、機械標識(in silico labeling)に基づいたゴーストサイトメトリー技術(iSGC:in silico-labeled ghost cytometry法、図1)と名付けました。 図1:iSGCによる細胞判別・分取のスキーム(A、B)と、異なる2種類の細胞株(青:HeLa S3細胞、赤:MIA PaCa-2細胞)を用いた実例(C~E)(論文内のFigure 1, Figure 2より抜粋して再構成) iSGCでは、正解ラベルの作成と判別結果の検証に用いるために蛍光標識された細胞群をマイクロ流路に送液し、各細胞から、非標識細胞形態信号と蛍光信号の情報ペアを機械学習モデルの学習用データセットとして取得します(図1A)。そして、蛍光信号解析の結果(Ground truth、図1C)を正解ラベルとして、非標識細胞形態信号から直接予測する機械学習モデルを学習させます。そしてこのモデルをFPGA(Field Programmable Gate Array、書き換え可能な高速回路)に実装することにより、マイクロ流路を高速に流れる細胞から得られる非標識細胞形態信号を高速にリアルタイムに判別し(図1B、D)、細胞を選択的に分取(図1E)できることを実証しました。 そして、今後の細胞治療、再生医療や診断への実用化を念頭に、iPS由来細胞や末梢血由来細胞に対するiSGCの適用を検証しました。iPS由来細胞については、臨床により適した細胞の選別という観点から、従来のフローサイトメトリーで取得される前方散乱光(FSC)や側方散乱光(SSC)のみでは正確な判別が難しいとされてきたアポトーシス等の細かな細胞死の状態の判別を、iSGCによって高い精度で行えることを示しました。さらに、分化細胞群の移植におけるリスク軽減という観点から、iPS細胞(HEC:肝内胚葉性細胞、NEC:神経外胚葉性細胞)の分化・未分化の判別および分化細胞(RPE:網膜色素上皮細胞)中に混入したがん化細胞(Y-79:網膜芽細胞腫細胞)の判別が、iSGCにより可能であることを示しました。末梢血細胞については、血液診断における重要なパラメータである末梢血白血球の主要5種類(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球)をiSGCにより高精度で判別できることを示しました(図2)。さらにこの実証では、あるドナーの白血球を用いて学習した機械学習モデルにより、同じドナーの白血球の組成を予測できるだけでなく、異なるドナーの白血球の組成も予測できることが示され、モデルの汎用性が示唆されています。 図2:iSGCによる末梢血白血球の分類(論文内のFigure 5F, 5Gを抜粋して再構成) 本研究の成果は、細胞治療、再生医療や検査診断において、非標識での細胞判別および分取に貢献すると期待できます。 本研究は、科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(さきがけ)「統合1細胞解析のための革新的技術基盤」研究領域 課題名:新規高速高感度イメージングによる超高速蛍光画像サイトメトリー、研究代表者:太田禎生(JPMJPR14F5)、「光の極限制御・積極利用と新分野開拓」研究領域 課題名:データ駆動型光計測・光制御 研究代表者:堀﨑遼一、「ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化」研究領域 課題名:統計的潜在意味解析によるデータ駆動インテリジェンスの創発 研究代表者:佐藤一誠、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業(JPNP17008)などの支援により行われました。 論文情報 <タイトル> In silico-labeled ghost cytometry <著者名> Masashi Ugawa, Yoko Kawamura, Keisuke Toda, Kazuki Teranishi, Hikari Morita, Hiroaki Adachi, Ryo Tamoto, Hiroko Nomaru, Keiji Nakagawa, Keiki Sugimoto, Evgeniia Borisova, Yuri An, Yusuke Konishi, Seiichiro Tabata, Soji Morishita, Misa Imai, Tomoiku […]
シリーズBラウンドで総額28.5億円の資金調達を実施 - イメージ認識型高速セルソーティング技術を利用した革新的な治療・診断の 実用化に向けた取り組みを加速 –
AIが駆動するイメージ認識型高速セルソーティング技術を用いた治療・診断プラットフォームの研究開発を行うシンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、スパークス・グループ株式会社を運営者とする「未来創生2号ファンド」をリード投資家とし、シスメックス株式会社、三井住友トラスト・インベストメント株式会社を運営者とする「ジャパン・コインベスト3号投資事業有限責任組合」、SBIグループ、及び伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社を運営者とする「テクノロジーベンチャーズ5号投資事業有限責任組合」を含めた5社を引受先とする総額28.5億円の第三者割当増資を実施しました。今回の調達を含めた累計調達額は約49億円となります。 ■ 資金調達の背景及び目的 当社は、2016年2月の設立以降、当社が独自に開発したイメージ認識型高速セルソーティング技術であるゴーストサイトメトリー技術(以下、「GC技術」)の研究開発を行ってきました。単一細胞計測技術は、がんや免疫疾患を始めとする病態の解明や病気の診断など、生命科学研究や医療において基盤となる重要な技術であるものの、従来は単一細胞から取得する情報量と分離スピードを両立させることが困難でした。そこで、シンクサイトはこの両立を実現するGC技術を世界で初めて開発し、2018年にはその成果を科学誌Scienceに発表しました。再生・細胞医薬、医療検査診断及び創薬の領域での本技術の活用に向け、製薬企業、医療機器メーカー、研究機関等と共同研究を進めています。今回の資金調達により、GC技術を利用した革新的な治療や検査診断の実用化に向けて、各領域における共同研究を更に推し進めると同時に、GC技術が搭載された細胞分析・分離システムの開発を加速していきます。また、事業拡大に伴い人材を拡充し、大きな需要の見込まれる米国市場の事業開発も積極的に進めていきます。 ■ 引受先 ・未来創生2号ファンド(運営者:スパークス・グループ株式会社、https://www.sparx.jp)・シスメックス株式会社(https://www.sysmex.co.jp/)・ジャパン・コインベスト3号投資事業有限責任組合(運営者:三井住友トラスト・インベストメント株式会社、https://www.smtic.jp/)・SBIグループ(https://www.sbigroup.co.jp/)・テクノロジーベンチャーズ5号投資事業有限責任組合(運営者:伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社、https://www.techv.co.jp/) ■ シンクサイト株式会社 シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すスタートアップ企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や医療検査診断、創薬を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要 社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte, Inc.所在地 東京都文京区本郷7-3-1代表取締役 勝田 和一郎設 立 2016年2月URL https://thinkcyte.com/
シスメックスとシンクサイト、共同開発および資本提携に関する契約を締結 - 新たなAIベースの細胞分析装置・検査方法の開発を開始 –
シスメックス株式会社(本社:神戸市、代表取締役会長兼社長 CEO:家次 恒)とシンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、AIベースの細胞分析技術の実用化に向けた共同開発および資本提携に関する契約を2021年5月に締結したことをお知らせします。 先進技術の発展とともに、医療の精密化・個別化が加速度的に進展する中、より正確な診断や最適な治療の提供に貢献できるよう、臨床価値の高い検査と診断技術の実用化が求められています。また、オンライン診療やAIによる画像診断、ロボットを活用した検査の自動化など、医療分野へのデジタル化の取り組みも急速に進展しています。 これまでシスメックスは、細胞、遺伝子、タンパク質を高精度、高感度に分析する技術獲得を進めてきました。この中でも細胞分析プラットフォームは、既に様々なシスメックス製品に応用されていますが、従来の高速な細胞分類だけでなく、細胞が持つ機能や反応性などの多様な情報を用いた高精度な細胞分類の両立に向けて技術開発を重ねています。 シンクサイトは、シンプルかつ高速に、詳細な細胞形態情報を取得できる「ゴーストサイトメトリー技術」※1を保有しています。この技術によって得られる情報量は、従来のフローサイトメトリーによる検査と比較するとはるかに多く、その結果、より精密な細胞形態情報を取得することが可能となります。この技術により、細胞の数や形態に加えて、一つ一つの細胞が持つ詳細な特徴や機能を捉えることができれば、血液等の検体を用いて病態を把握する上で非常に有効であり、一般的な診断の精度向上だけではなく、個別化医療への貢献も期待できます。 シスメックスとシンクサイトにおけるこれまでの共同研究を通じて、「ゴーストサイトメトリー技術」を活用した臨床価値の高い診断技術の実現可能性が高まったことから、世界に先駆けた新たなAIベースの細胞分析技術の共同開発を本格的に推進するため、2021年3月31日に業務提携に関する基本合意書を締結しました。これに続き、共同開発契約を2021年5月1日に締結しました。この共同開発契約に基づき、両社は今後、血液等を用いた体外診断領域における細胞分析(研究用途を含む)において、「ゴーストサイトメトリー技術」を活用した細胞分析装置・検査方法の実用化に向けた共同開発を実施します。また、シスメックスとシンクサイトは資本提携に関する契約を2021年5月11日に締結しました。シスメックスはシンクサイトへの資本参加を行うことで、より強固な提携・推進体制を構築します。 シスメックスとシンクサイトは、シスメックスが保有する体外診断領域における様々な知見と技術、シンクサイトが保有するユニークな技術である「ゴーストサイトメトリー技術」を統合して新たな細胞分析技術と検査方法を開発し、世界の医療の発展と進化に寄与することを目指します。 【シスメックス株式会社について】シスメックスは、グループ企業理念「Sysmex Way」において「ヘルスケアの進化をデザインする。」をミッションに掲げ、医療の発展と人々の健やかな暮らしに貢献しています。血液や尿などを採取して調べる検体検査に必要な機器・試薬・ソフトウェアの研究開発から製造、販売・サービス&サポートを一貫して行っており、190以上の国や地域の医療機関へ製品をお届けしています。近年は、ライフサイエンス領域へと事業を拡大しており、独自のテクノロジーを用いて新たな検査・診断価値を創出し、一人ひとりに最適な医療の実現や、患者さんの負担軽減・QOL向上に貢献することを目指しています。 会社概要会社名: シスメックス株式会社所在地: 神戸市中央区脇浜海岸通1丁目5番1号設立: 1968年2月20日資本金: 128億7,774万円(2020年3月31日現在)事業内容: 臨床検査機器、検査用試薬ならびに関連ソフトウェアなどの開発・製造・販売・輸出入URL: https://www.sysmex.co.jp 【シンクサイト株式会社について】シンクサイトは、東京大学および大阪大学で生まれた「ゴーストサイトメトリー技術」を元に、ライフサイエンスおよび医療の発展と革新を目指すベンチャー企業です。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や創薬、医療検査診断を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019年6月には、経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。 会社概要会社名: シンクサイト株式会社所在地: 東京都文京区本郷7-3-1設立: 2016年2月2日資本金: 1億円(2021年4月30日現在)事業内容: AIを活用したイメージ認識型高速セルソーティング技術による創薬・診断プラットフォームの研究開発URL: https://thinkcyte.com 【注釈】※1 ゴーストサイトメトリー技術:大きさの似た細胞でも細かな形態の違いで高速・高精度に分析・判別できるフローサイトメトリーの新手法。光圧縮信号として計測した細胞の形態情報を、機械学習を利用して、画像化せずに直接リアルタイム分析・判別する。流体技術と組み合わせることにより、流路中で選択的かつ高速に目的細胞を分離することを可能とする技術。 <ゴーストサイトメトリーによる高速・高精度な細胞分析・判別・分離(イメージ)>出典:Nature Biopharma Dealmakers, “ThinkCyte, Inc.: Machine vision-based cell sorting transforms cell therapy and drug discovery”(英語のみ)
NEDO 研究開発型スタートアップ支援事業に採択
シンクサイト株式会社が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) の 2020 年度「研究開発型スタートアップ支援事業/Product Commercialization Alliance (PCA)」に採択されました。 ■ 本リリースの詳細に関しては以下の URL をご参照ください。 https://www.nedo.go.jp/koubo/CA3_100248.html
国立がん研究センターと共同でシンクサイトが実施する循環腫瘍細胞分取に関する取り組みが AMED 事業に採択
シンクサイト株式会社が、国立研究開発法人国立がん研究センター等と共に提案した研究開発課題「遺伝子プロファイリング検査を目的とした Ghost Cytometry による循環腫瘍細胞の高精度分取法の研究開発」(研究開発代表者:高阪 真路、国立がん研究センター ユニット長)が、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)の令和 2 年度 「医療分野研究成果展開事業(先端計測分析技術・機器開発プログラム)」に採択されました。 血液等の体液を用いるリキッドバイオプシーは、低侵襲かつ経時的モニタリングが可能な次世代のがん病態解析法であり、その技術の早急な確立が望まれています。リキッドバイオプシーの一つである循環腫瘍細胞(Circulating Tumor Cells; CTC)解析技術については、乳がんや前立腺がんの術後再発予測・モニタリングにおける有用性は検証されたものの、いまだに細胞単離技術の精度に問題があります。 そこで、シンクサイトが開発した Ghost Cytometry 技術を用いて、高速かつ高精度に CTC を単離し、その単離した細胞を次世代シーケンサーで解析することによって、分子標的薬等の治療選択に関わるゲノム異常診断法を確立することを目指します。これにより、低侵襲なリキッドバイオプシーによるがん細胞の経時的な分子プロファイリングが可能となり、最適な治療方針の決定がなされることで患者予後の改善に繋がると同時に、創薬研究ならびに治療抵抗性に関わる研究開発が促進されることが期待されます。 シンクサイトは、本事業への採択により、先端技術の融合による新たな治療・診断のプラットフォームの開発と実用化をより一層加速させて参ります。 ■ 本リリースの詳細に関しては以下の URL をご参照ください。 https://www.amed.go.jp/koubo/02/01/0201C_00077.html
日立とシンクサイトは AI を活用した細胞分析・分離システムの共同開発を開始
株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)とAIを活用した細胞分析・分離技術を有するシンクサイト株式会社(代表取締役:勝田 和一郎/以下、シンクサイト)は、細胞分析・分離システムの共同開発を開始しました。日立は、再生医療のバリューチェーン*1において細胞の自動培養技術などを製薬会社に提供してきました。このバリューチェーンに細胞の分析・分離技術を加えていき、再生・細胞医薬品の製造コスト低減に貢献します。日立とシンクサイトは、今後、国内外の再生医療等製品の開発・製造を行う製薬企業、研究機関などと連携を進め、本技術の実用化をめざします。 株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)とAIを活用した細胞分析・分離技術を有するシンクサイト株式会社(代表取締役:勝田 和一郎/以下、シンクサイト)は、細胞分析・分離システムの共同開発を開始しました。日立は、再生医療のバリューチェーン*1において細胞の自動培養技術などを製薬会社に提供してきました。このバリューチェーンに細胞の分析・分離技術を加えていき、再生・細胞医薬品の製造コスト低減に貢献します。日立とシンクサイトは、今後、国内外の再生医療等製品の開発・製造を行う製薬企業、研究機関などと連携を進め、本技術の実用化をめざします。 白血病向けCAR-T療法2が2017年に米国で、2019年には日本で承認されるなど、細胞を治療に用いる再生・細胞医薬品は急速に実用化が進んでいます。この再生・細胞医薬品のグローバル市場規模は、2020年の6,300億円から2025年に3.8兆円に到達することが見込まれています3。再生・細胞医薬品を用いた治療が普及していくためには、治療に用いられる品質の高い細胞が再現性良く選別され、低コストかつ大量に安定供給されることが求められます。 日立はiPS細胞大量自動培養装置や細胞培養加工施設(CPF:Cell Processing Facility)、生産管理システム、安全キャビネットなどを製薬会社、研究機関に提供し、再生医療などに関わるお客さまのさまざまなニーズに合わせてバリューチェーンを構築してきました。また、医薬品製造機器、体外診断機器の要素技術開発のため大学や研究機関、企業との共同研究を行い、さらに量産化試作、製造コストの低減に取り組み、再現性良く、長期間安定して稼働する製品の開発を行っています。 シンクサイトは細胞一つひとつを染色することなく詳細かつ高速に分析し、目的とする細胞だけを高精度に分離する技術の研究開発を行ってきました。このような細胞計測・解析技術は、病気の診断など、生命科学研究や医療において基盤となる重要な技術であるものの、単一細胞から取得する情報量と分離速度の両立が困難でした。そこで、シンクサイトは、この両立を実現する「ゴーストサイトメトリー技術」を世界で初めて開発*4し、生命科学・医療分野での本技術の活用に向け、製薬企業や研究機関と共同研究を進めています。 日立とシンクサイトは、それぞれが得意とする技術やノウハウを用い、AIを活用した細胞分析・分離技術の実用化に向け、細胞分析・分離システムの共同開発を開始しました。シンクサイトが有する細胞を無染色のまま高速かつ高精度に分離する技術と、日立の装置を安定稼働させるノウハウと量産化技術を組み合わせることで、既存の細胞分離技術では困難であった無染色での高速、高精度な細胞分離を、再現性良く安定して稼働する装置で実現し、再生・細胞医薬分野の課題である、細胞の安定的かつ低コストでの大量供給をめざします。これにより製薬会社の再生・細胞医薬品を大量に安定して生産可能になり、製造コストの低減に貢献します。 今後、日立とシンクサイトは、本技術を再生・細胞医薬品製造の基盤技術とするため、大きな需要が見込まれる北米をはじめ、国内外の再生医療等製品の開発・製造を行う製薬企業、研究機関などと連携を進めていきます。また、日立グループの情報通信技術開発で培った高速デジタル処理技術も活用し、安全かつ高信頼の装置を、再生医療のバリューチェーンの中に組み込み、再生・細胞医薬品市場の発展に貢献することをめざします。 *1 細胞製造の工程。材料となる細胞を起点として培養、検査、分離、加工、保存などのさまざまな工程がある。*2 CAR-T療法:患者から採取した細胞に、がん細胞表面の抗原を認識し、攻撃するキメラ抗原受容体(CAR)を作りだせるよう遺伝子改変をした上で、再び患者の体内に戻すがんの治療法。*3 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) 再生医療研究課, 令和元年度再生医療・遺伝子治療の市場調査 最終報告書 (2020)。*4 S, Ota et al., Ghost cytometry, Science, 360, 1246-1251 (2018). ■AIを活用した細胞分析・分離技術についてシンクサイトが開発したゴーストサイトメトリー(Ghost Cytometry)技術を基盤技術にしたイメージングセルソーター技術です。高速に細胞の構造情報を取得するイメージング技術と、その情報をリアルタイムで処理するデータ処理技術に先端マイクロ流体細胞分取技術を融合させたものです。特殊な構造化照明を用いて細胞を照射することにより、一次元に変換された構造情報を短時間で取得し、取得したデータから作成した機械学習(AI)モデルにより、リアルタイムで識別した細胞を、細胞へのダメージを抑えたマイクロ流体デバイス中で分離します。 このデータ解析アプローチにより、人が認識するための画像の再構成が不要になるため、細胞一つひとつの構造分析を高速で行いながら分離することが可能になり、これまで人間の目で判別が容易ではなかった細胞の識別も可能になりました。そのため、従来の方法では、選別の目印のために抗体等で染色する必要があった細胞を、染色することなく分離することも可能になっています。再生・細胞医薬領域に加え、創薬や体外診断の領域においても革新をもたらす活用が期待されています。 ■日立製作所について日立は、IT(Information Technology)、OT(Operational Technology)およびプロダクトを組み合わせた社会イノベーション事業に注力しています。2019年度の連結売上収益は8兆7,672億円、2020年3月末時点の連結従業員数は約301,000人でした。日立は、モビリティ、ライフ、インダストリー、エネルギー、ITの5分野でLumadaを活用したデジタルソリューションを提供することにより、お客さまの社会価値、環境価値、経済価値の3つの価値向上に貢献します。 詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。 ■シンクサイトについてシンクサイトは、東京大学および大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンスおよび医療の発展と革新をめざすスタートアップ企業です。2019年6月には経済産業省よりJ-Startupの1社に認定されています。 名称: シンクサイト株式会社 ThinkCyte, Inc所在地: 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟代表者: 取締役 勝田 和一郎事業内容: AIを活用したイメージ認識型高速セルソーティング技術による創薬・診断プラットフォームの研究開発設立: 2016年2月従業員数: 23名URL: https://thinkcyte.com/ ■本件に関するお問い合わせ先株式会社日立製作所 ライフ事業統括本部 ヘルスケア事業部 分析システム本部[担当:橋場、本郷]〒110-0015 東京都台東区東上野二丁目16番1号 上野イーストタワー問い合わせフォーム:https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/healthcare/jp/contact/form.jsp シンクサイト株式会社[担当:大月]〒113-8485東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟問い合わせフォーム:https://thinkcyte.com/contact/ ■報道関係お問い合わせ先株式会社日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット 経営戦略室 経営企画部[担当:八ッ星]〒110-0015東京都台東区東上野二丁目16番1号 上野イーストタワーE-mail:hc.koho.zq@hitachi.com ■報道関係お問い合わせ先株式会社日立製作所 ヘルスケアビジネスユニット 経営戦略室 経営企画部[担当:八ッ星]〒110-0015東京都台東区東上野二丁目16番1号 上野イーストタワーE-mail:hc.koho.zq@hitachi.com シンクサイト株式会社[担当:大月]〒113-8485東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟E-mail:info@thinkcyte.com
シリーズ A 総額 16.5 億円の資金調達を完了 - イメージ認識型高速セルソーティング技術による革新的な治療・診断の実現を目指す –
AI が駆動する次世代型の超高速・高精度なイメージ認識型のリアルタイム細胞分離システム(以下、「イメージ認識型高速セルソーティング技術」)の研究開発を行うシンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、スパークス・グループ株式会社を運営者とする「未来創生 2 号ファンド」をリード投資家とし、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社を運営者とする「テクノロジーベンチャーズ 5 号投資事業有限責任組合」及び芙蓉総合リース株式会社を含めた 3 社を引受先とする第三者割当増資を実施しました。 昨年実施した SBI グループ、合同会社リアルテックジャパンを運営者とする「リアルテックファンド 1 号及び 2 号投資事業有限責任組合」及び大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社を運営者とする「OUVC 1 号投資事業有限責任組合」の 3 社を引受先とした第三者割当増資と合わせて、シリーズ A 投資ラウンドにおいて総額 16.5 億円の資金調達を完了しています。また、スパークス・グループ株式会社より、豊富な臨床経験及び研究経験、金融機関での経験を持つ櫻庭茂樹氏(医師、医学博士、公衆衛生学修士)が社外取締役として着任します。 ■ 資金調達の背景及び目的当社は、2016 年 2 月の設立以降、当社が独自に開発したイメージ認識型高速セルソーティング技術であるゴーストサイトメトリー技術(以下、「GC 技術」)の研究開発を行ってきました。単一細胞計測技術は、がんや免疫疾患を始めとする病態の解明や病気の診断など、生命科学研究や医療において基盤となる重要な技術であるものの、従来は単一細胞から取得する情報量と分離スピードを両立させることが困難でした。そこで、シンクサイトは革新的な高速イメージング技術と機械学習、マイクロ流体技術を融合した GC 技術を世界で初めて開発し、2018 年にその成果を科学誌 Scienceに発表しています。その後、再生・細胞医薬、創薬及び医療検査診断の領域において、製薬企業、医療機器メーカー、研究機関等と GC 技術を利用した共同研究を進めています。新型コロナウイルス感染症に対する治療法開発にあたっても、細胞を用いた治療や細胞の形態変化を観察する創薬スクリーニング手法が試みられており、GC 技術の活用が期待されます。今回の資金調達により、このイメージ認識型高速セルソーティング技術を利用した各領域における共同研究を更に推し進め、革新的な治療や検査診断の実現を目指します。同時に、事業拡大に伴い人材を拡充し、大きな需要の見込まれる米国市場の事業開発も積極的に進めていきます。 ■ 引受先・ 未来創生 2 号ファンド(運営者:スパークス・グループ株式会社、https://www.sparx.jp)・ SBI グループ(https://www.sbigroup.co.jp/)・ テクノロジーベンチャーズ 5 号投資事業有限責任組合(運営者:伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社(ITV)、https://www.techv.co.jp/)・ リアルテックファンド 1 号及び 2 号投資事業有限責任組合(運営者:合同会社リアルテックジャパン、https://www.realtech.fund/)・ OUVC1 号投資事業有限責任組合(運営者:大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社、https://www.ouvc.co.jp/)・ 芙蓉総合リース株式会社(https://www.fgl.co.jp/ ) ■ 今般の引受先からのコメント スパークス・グループ株式会社 代表取締役副社長 深見 正敏 氏「AI を活用した医療技術が日々発表され、現在は次に来るであろう AI 医療のまさに黎明期の様相を呈しております。そのような中で、シンクサイト社が持つゴーストサイトメトリー技術(GC 技術)は、AI、高速イメージング技術、マイクロ流体技術という先端技術を組み合わせた唯一無二のイメージ認識型高速セルソーティング技術であり、製薬・診断分野の課題解決に資する革新的な基盤技術になると確信しております。いかなる良い治療法でも、高額すぎると患者様には十分に届きません。高い治療効果とともに高額な薬価でも話題になっている CAR-T 療法は、その一例かもしれません。今後、血液がんから固形がんへと適応範囲が広がることが予測される CAR-T 療法の治療効果を高めつつ、製造コストを抑えることに貢献しうる GC 技術は、がんと闘う患者様の福音となる可能性があると考えております。新型コロナウイルス感染拡大により、今ほど医療の大事さを感じるときはございません。GC 技術は創薬スクリーニング手法として新型コロナウイルスの治療法開発にも用いられる可能性があり大いに期待しております。未来創生ファンドとして、優れた治療法を生み出す基盤技術を有するシンクサイト社を全力で応援してまいります。」 伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社(ITV) パートナー 小川 剛 氏「単一細胞計測にイノベーションを起こす“ゴーストサイトメトリー技術“、またその技術を開発し再生・細胞医薬、創薬及び医療検査診断の領域へと適応する優秀なチーム。シンクサイト社が実現する革新的な治療や検査診断は世界中の多くの人を助け、新型コロナウイルス感染症に代表されるような未知の疾患との闘いにも貢献し、幸せに満ちた健康な未来を創ると信じて止みません。このような彼らのビジョンに共鳴を受け、私たちも一緒に実現に向け伴走させていただきたく出資を決めさせていただきました。投資家として同社を世界有数の企業にすべく経営支援から営業支援までトータルでサポートさせていただきます。」 芙蓉総合リース株式会社 常務執行役員 織田 寛明 氏「芙蓉リースグループは、「医療・福祉」を戦略分野の一つと位置づけ、社会課題の解決を通じた事業の成長を目指しています。この度の出資を機に、 シンクサイト社 が開発する製品の導入が促進されるよう 、リースをはじめとしたファイナンスサービスやノウハウを提供し 、同社が目指すライフサイエンス及び医療の発展と革新の実現 に貢献していきたいと考えています。」 ■ シンクサイト株式会社シンクサイトは、東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、ライフサイエンス及び医療の発展と革新を目指すベンチャー企業です。先端イメージング、機械学習、マイクロ流体等の異分野技術を組み合わせて、次世代型のイメージ認識型高速セルソーティング技術を開発しています。この基盤技術を用いることで、新しい再生・細胞医薬や創薬、医療検査診断を実現させ、革新的な治療や診断に貢献することを目指しています。2019 年 6 月には、経済産業省より J-Startup の 1 社に認定されています。詳しくは、シンクサイトのウェブサイト(https://thinkcyte.com/)をご覧ください。 ■ 会社概要社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte, Inc.所在地 東京都文京区本郷 7-3-1代表取締役 勝田 和一郎設 立 2016 […]
経済産業省のスタートアップ育成支援プログラム「J-Startup」に選定されました
シンクサイト株式会社は、経済産業省が推進するスタートアップ育成支援プログラム「J-Startup」に選定されました。 「J-Startup」は、経済産業省が推進するスタートアップ育成支援プログラムであり、世界で活躍するスタートアップ企業を生み出し、革新的な技術やビジネスモデルで世界に新しい価値を提供することを目的としています。選出された J-Startup 企業は、海外展開支援などの政府施策の活用が容易になります。 シンクサイトは本プログラムへの選出により、海外展開や外部との提携をより一層加速させて参ります。 【J-Startup について】 「J-Startup」は、グローバルに活躍するスタートアップ企業を創出するために、2018 年 6 月に立ち上げられました。選出された J-startup 企業は、日本発のロールモデル創出に向けて、官民からの集中支援を受けることが可能となります。 経済産業省、日本貿易振興機構(JETRO)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が事務局となり、プログラムの運営を行っています。J-startup 2019 の選定においては、「オープンイノベーションの促進」、「海外展開」、「地域の有望スタートアップの発掘」の3つの観点が重視されています。日本のスタートアップ企業約 10,000 社の中から、新たに 49 社が選ばれ、この度シンクサイトはその1 社に選定されました。 ■ 本リリースの詳細に関しては J-Startup 事務局による以下プレスリリースをご参照ください。 https://www.j-startup.go.jp/news/news_190624_2.html
UC Berkeley 主催 Berkeley SkyDeck Cohort Program を修了しました
シンクサイト株式会社は、カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)が主催するスタートアップ向けのアクセラレータプログラム、Berkeley SkyDeck Cohort Program を修了しました。 UC Berkeley は、世界の公立大学ランキングの中で 1 位、大学全体の中でも継続的にトップ 5 以内にランキングされ、70 名以上のノーベル賞受賞者を輩出するなど、研究において世界的に高い評価を得ています。Berkeley SkyDeck は UC Berkeley が大学として持つリソースを、スタートアップ企業が最大限活用できるようにするために設立されました。この Berkeley SkyDeck のプログラムには、世界中のスタートアップ企業から応募があり、採択率は僅か 3.5%程です。 当社では先進的な研究開発を進めることを重視し、その研究内容は国際科学誌 Science に掲載される等、学術的にも高い成果を挙げてきました。その実績が認められ、当社は 2018 年春の BerkeleySkyDeck Cohort Program に採択され、半年間に及ぶトレーニングプログラム、及び実績のあるアドバイザー陣からの指導を受けてきました。 Berkeley SkyDeck プログラムでは、支援したスタートアップが成長したときに得られるファンドリターンの半分を大学に寄付することをコミットしており、その寄付収入は研究開発や奨学金などに充てられる予定です。Berkeley SkyDeck のプログラムに貢献することが、バークレーの教育を支援することに直結しているため、シリコンバレーを中心に活躍する多くの卒業生から積極的な協力を得ています。今後、当社は Berkeley SkyDeck プログラムを通じて得られた知見やネットワークを活用し、最大市場である米国における事業開発活動を更に加速させていきます。 ■ UC Berkeley SkyDeck の公式サイトは以下になります。 https://skydeck.berkeley.edu/
Google Launchpad Accelerator Tokyo 第 1 期に選出されました
シンクサイト株式会社は、グーグル社が 2018 年 10 月に日本で初めて開催したスタートアップ向けのアクセラレータプログラム、Google Launchpad Accelerator Tokyo 第 1 期に選出されました。 Google Launchpad Accelerator は、グーグル社が世界 40 ヵ国以上で展開するグローバルなスタートアップアクセラレータープログラムです。Google Launchpad Accelerator Tokyo は、採択から終了まで約 3 ヵ月間のエクイティーフリープログラムで、東京、テルアビブ、シリコンバレーの 3 ヵ所をまわり、世界各国より集まった経験豊富な起業家や投資家からなるグローバルメンター陣に加えて、東京を拠点に活躍するローカルメンター陣の総勢 20 名がワークショップを開催、助言を行います。 本プログラムは、2018 年 8 月に第 1 期採択企業の募集を開始し、応募多数の中から厳正な審査の結果、当社を含む 7 社が選出されました。本プログラムの選考基準には、「テクノロジーで社会課題を解決するスタートアップ企業であること」「日本から海外への展開を考えていること」「PMF(プロダクト・マーケット・フィット)を達成していること」等が挙げられております。 ■ 本リリースの詳細に関しては以下の URL をご参照ください。 https://developers-jp.googleblog.com/2018/11/google-launchpad-accelerator-tokyo7.html ■ Google Launchpad Accelerator の公式サイトは以下になります。 https://developers.google.com/community/launchpad/accelerators
ゴーストサイトメトリー - 世界初、AI が駆動する高速な細胞形態ソーターを実現 –
1.発表者:太田 禎生(東京大学先端科学技術研究センター 准教授/シンクサイト株式会社 共同創業者 取締役/科学技術振興機構 さきがけ研究者(研究当時))堀﨑 遼一(大阪大学大学院情報科学研究科 助教/シンクサイト株式会社 共同創業者/科学技術振興機構 さきがけ研究者)佐藤 一誠(東京大学大学院新領域創成科学研究科 講師/理化学研究所革新知能統合研究センター目的指向基盤技術研究グループ医用画像解析チーム チームリーダー/シンクサイト株式会社 共同創業者 顧問/科学技術振興機構 さきがけ研究者(研究当時))河村 踊子(シンクサイト株式会社研究開発部 研究員)鵜川 昌士(シンクサイト株式会社研究開発部 研究員) 2.発表のポイント:◆ 高速・高感度かつシンプルな新規光イメージ圧縮計測法の開発、新規多次元データ処理法の開発、そしてマイクロ流体技術の融合により、機械学習(注1)駆動型の世界初の超高速・高精度な光イメージ認識型のリアルタイム細胞分離技術を実現しました。◆ 人を介さない画像情報解析に画像は必要がない点に着目し、圧縮計測信号を直接機械学習で超高速リアルタイム解析し、「画像を見ずに形を見る」ゴーストサイトメトリー法の発案が、ブレークスルーにつながりました。◆ 若手研究者がアカデミアや組織の枠を越え、ベンチャー企業(シンクサイト株式会社)を設立し、産官学の人材とリソースを結集して創り上げた技術が Science 誌に掲載され、国際的な実用化に邁進する先駆的な事例です。 3.発表概要:白血病発見で知られるウィルヒョウ以来 100 年以上、形態観察に基づく細胞の分類、分離・分取は人の経験と認識力に基づいて行われてきましたが、そのスピード・精度には限界がありました。東京大学先端科学技術研究センターの太田禎生准教授、大阪大学大学院情報科学研究科の堀﨑遼一助教、東京大学大学院新領域創成科学研究科/理化学研究所 革新知能統合研究センターの佐藤一誠講師およびシンクサイト株式会社の河村踊子研究員、鵜川昌士研究員らの研究グループは、高速・高感度かつシンプルに細胞形態データを圧縮計測する単一画素イメージング法に、機械学習技術と流体ハードウェア技術を融合し、大きさも同じで人の目で見ても形の似た細胞でさえも高速・高精度に分析・判別し、その細胞を超高速(従来の顕微鏡方式比で千倍以上)で分取するシステム、高速蛍光イメージングセルソーターを世界で初めて実現しました。ゴーストサイトメトリーと名付けられた本機構は、機械の「目」を使い、毎秒数千〜万細胞のスピードで細胞をリアルタイムに判別し、選択的に取り分けます。大量の細胞を形態で評価し、選別し、活用する事により、血液・体液診断、再生医療や細胞治療など高い安全性や信頼性の求められる医療に貢献することが期待されます。本研究は、若手研究者がアカデミアや組織の枠を越えてベンチャー企業を設立し、共同で研究開発した技術が Science 誌に掲載され、国際的な実用化に邁進する先駆的事例です。博士などの専門人材が活躍できる産業や市場を、研究者自らが主体的に作り上げようとしている点も画期的であり、国を挙げて推し進めている産官学連携によるオープンイノベーションの代表事例となりうる成果といえます。本研究の一部は科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 さきがけ「統合 1 細胞解析のための革新的技術基盤」研究領域 課題名「新規高速高感度イメージングによる超高速蛍光画像サイトメトリー」(平成 26 年度採択)、「光の極限制御・積極利用と新分野開拓」研究領域 課題名「データ駆動型光計測・光制御」(平成 29 年度採択)、「ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化」研究領域 課題名「統計的潜在意味解析によるデータ駆動インテリジェンスの創発」(平成 25 年度採択)の支援を受けて行われました。 本研究の成果は、米国の国際科学誌「Science」に 2018 年 6 月 15 日(米国東部時間)付けで掲載されます。 4.発表内容:研究グループは、新規高速・高感度イメージング技術の開発に際し、『特殊な光構造照明上 での対象の「動き」を利用して、対象像を捉える』という新コンセプトで、蛍光など暗い対象 も高速(>万枚/秒)で撮影できる単一画素圧縮撮像手法(動的ゴーストイメージング法: Ghost Motion Imaging)を開発しました。そして、人を介さない画像解析に画像は必要ない点 に着目し、『画像(人が認識するためのデータ形式)を作らずに、単一画素圧縮計測信号を直 接機械学習モデルに判別させる』というコンセプトを実装し、シンプルで正確かつ高速なリア ルタイムでのイメージングデータ処理法を開発しました。分取技術融合開発に当たっては、シンクサイト株式会社を創業し、同社との共同研究を通し て、先端マイクロ流体細胞分取技術との融合研究開発・実用化を加速させ、世界初の機械学習 駆動型の光流体装置を完成させました。本技術は、1)高速で細胞の蛍光イメージを計測し、2) 機械学習でリアルタイム解析し、3) マイクロ流体中での選択的分取を実現しています(ゴー ストサイトメトリー法:図1)。これにより、人の目でも見分けることが難しい細胞の高精度 な分類・分離や、モデル血中からのがん細胞の高速検出・分離を可能にしました。大量の細胞をその形態に基づいて分析ならびに選択的に分取する技術の必要性は、生命科学 研究だけでなく、希少細胞検出からの医療診断や、品質管理された細胞医療応用など医療、産 業分野でも日々増しています。しかし従来の、顕微鏡で見た目を評価して人手を介して一つ一 つ分取する方式は、実用性に限界がありました。具体的には、低スループット(注2)なため 大量のサンプルを処理できなかった上、処理に時間がかかる結果、細胞状態に変化を与える懸 念がありました。また人の目での選別では、精度や再現性にも限界がありました。一方、セル ソーター(フローサイトメトリー)(注3)は 50 年程前に発明され、高いスループット(>万 細胞/毎秒)を誇ってきましたが、1細胞あたりの蛍光量は計測できても、細胞の蛍光イメー ジ(形態)情報を計測・解析する事はできません。そのため、両者の長所を併せ持つ蛍光イメ ージ認識型セルソーター(注4)が長く望まれてきました。しかしこれを実現するためには、 高速・高感度かつシンプルなイメージング手法の開発と、高速で流れる細胞が単一流路デバイ スを通過する短時間内に計測・分析・分取までを完結できるリアルタイムイメージ情報処理手法の開発が、重大な課題となっていました。本技術は、光・流体・電気ハードウェアと機械学 習ソフトウェアを密に結合することで、両課題を一挙に解決しました。本研究者らはアカデミアや組織の枠を越えてベンチャー企業を設立し、同社との共同研究を 通して、ハードとソフトが一体化した機械学習駆動型の光流体融合テクノロジーを完成させま した。本技術を基盤とした、大量の1細胞の選択的な利活用が実現できると期待されます。よ り正確かつ安価な血液・体液診断や、より有効性・安全性の高い再生医療の実現に貢献するこ とを目指して、国内外の研究機関・医療機関、企業との共同研究が進んでいます。本年度中に は臨床研究が開始される予定であり、さらに来年度にはシンクサイト株式会社より研究用プロ トタイプの提供が開始される予定です。 イメージ図「Cell in Ghost Cytometry」© 2018 Sacco Fujishima, Creative Commons license CC BY-ND. 5.発表雑誌:雑誌名:「Science」(6月15日)論文タイトル: Ghost Cytometry著者: Sadao Ota*,†, Ryoichi Horisaki†, Yoko Kawamura†, Masashi Ugawa†, Issei […]
総額 3.5 億円の資金調達を実施しました
次世代型の高速細胞分析分離システムの開発を行うシンクサイト株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:勝田 和一郎)は、リアルテックファンド、科学技術振興機構、大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社を引受先として、総額 3.5 億円の資金調達を実施しました。 当社は、ハードウェア・ソフトウェア・バイオテクノロジー技術を統合することによって、大量の細胞情報から未来医療を実現することを目指しています。そのため、当社では先進的な研究開発を進めることを重視し、その研究内容は国際科学誌 Science に掲載される等、学術的にも高い成果を挙げてきました。 今回の資金調達により、当社が開発中の新規イメージング技術、機械学習を用いた多次元データ処理、マイクロ流体技術等の異分野技術を組み合わせた次世代型の高速細胞分析分離システム(イメージングセルソーター)の実用化を一層加速させ、日本及び北米での本格的な展開に向けた準備を進めます。また、この基盤技術を用いて、新しい医療診断や細胞治療、創薬研究等への応用展開を加速させ、生命科学と医療の発展に貢献することを目指します。 ■ 引受先リアルテックファンド(合同会社ユーグレナSMBC日興リバネスキャピタル、本社:東京都港区、代表 業務執行役:永田 暁彦)国立研究開発法人 科学技術振興機構(本部:埼玉県川口市、理事長:濵口 道成)大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(本社:大阪府吹田市、代表取締役:神保 敏明) ■ シンクサイト株式会社東京大学及び大阪大学で生まれた先端技術を元に、生命科学・ヘルスケアの発展と革新を目指すベンチャー企業です。単一細胞計測技術は、癌や免疫疾患を始めとする病態の解明や病気の診断など、生命科学研究や医療において基盤となる重要な技術であるものの、従来は単一細胞からの情報量とスピードを両立させることが困難でした。そこで、当社では新開発の高速光計測ハードウェア技術を機械学習と有機的に統合させた、次世代型の高速細胞分析分離システムを世界で始めて開 しました。この基盤技術を用いることで、未知の細胞発見や創薬研究等の生命科学研究を革新するのみならず、新しい医療診断や細胞治療の実現を通じ、医療の発展に貢献することが期待されています。 ■ 会社概要社 名 シンクサイト株式会社 ThinkCyte, Inc.所在地 東京都文京区本郷 7-3-1 東京大学アントレプレナープラザ 205代表取締役 勝田 和一郎設 立 2016年2月2日URL https://thinkcyte.com/