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ゴーストサイトメトリー®技術の細胞治療製品の製造工程における品質管理への応用に関する論文の発表

2024年9月19日

シンクサイト株式会社の寺西一生 プロダクトマネジャー、同 我妻慶祐 上級研究員、アステラス製薬株式会社の高橋真也 プロセスエンジニアリング研究室マネジャー、同 山口秀人 研究所長、東京大学先端科学技術研究センターの太田禎生 准教授らの共同研究グループによる論文が、本年9月19日号のScientific Reportsに掲載されました。

近年、細胞治療と呼ばれる、細胞を用いた新しい治療法の利用が急速に拡大しています。複雑な細胞治療製品の製造工程の中で、細胞の品質を管理するために、様々なQC: Quality Controlテストを組み合わせて行う必要があります。このQCの一つに、大量の検体を高速に検査できる、蛍光細胞標識を用いたフローサイトメトリー技術がよく用いられています。しかしながら、蛍光標識作業には経験者によるオペレーションが求められ、製造コストの増加や分析のばらつきを伴いやすく、完全自動化は容易ではありません。

本研究では、細胞形態情報に基づき無染色で細胞を解析するラベルフリーゴーストサイトメトリー®技術を搭載した、シンクサイト社のAI駆動型ラベルフリーソーター研究装置を用いて、細胞治療製品の製造工程QCへの実装可能性を検証しました。その結果、本報において、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)とデブリス、PBMC中の生細胞と死細胞、生細胞と初期アポトーシス細胞/死細胞、白血球中のT細胞および非T細胞、PBMC中の活性化T細胞および静止T細胞、PBMCとサンプルに混入した微粒子に対して、非標識で詳細な細胞形態情報に基づいた優れた分類性能と、定量計測能力が実証されました。

以上より、ラベルフリーゴーストサイトメトリー®技術が、細胞治療製品の製造工程の様々なステージにおいて、蛍光細胞標識を伴わずに、細胞ダメージが極めて小さい条件で、細胞数のモニタリング、生存率の評価、特定の細胞サブセットや表現型の同定、細胞治療製造中の不純物の検出などのQCに活用できることが示されました。

シンクサイトのゴーストサイトメトリー®技術は、細胞治療製品の製造において、完全自動化によるコスト削減や製造効率向上に貢献できるものと期待されます。

 

■ 論文情報

<タイトル>
Label-free ghost cytometry for manufacturing of cell therapy products

<著者名>
Kazuki Teranishi, Keisuke Wagatsuma, Keisuke Toda, Hiroko Nomaru, Yuichi Yanagihashi, Hiroshi Ochiai, Satoru Akai, Emi Mochizuki, Yuuki Onda, Keiji Nakagawa, Keiki Sugimoto, Shinya Takahashi, Hideto Yamaguchi, Sadao Ota

<雑誌>
Scientific Reports

<DOI>
10.1038/s41598-024-72016-8