CDマーカーの限界を突破する: 細胞形態情報がもたらす、白血病研究のパラダイムシフト
慢性骨髄性白血病(CML)の治療は、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の登場によって劇的な進歩を遂げました。しかし、真の完全治癒(ファンクショナルキュア)を実現する道のりは、現在もなお平坦ではありません。その最大の障壁の一つが、治療後も体内に潜伏し続ける“白血病幹細胞”の存在です。 この希少な細胞集団をいかに特定し、その性質を解明して体内からの排除につなげるか。順天堂大学大学院医学研究科 血液内科学(現:埼玉医科大学病院 血液内科)の高久智生先生、鈴木行人先生の研究チームは、この課題に長年取り組んできました。しかし、彼らの前には、既存のフローサイトメトリーではどうしても越えられない壁がありました。 本記事では、同研究チームがいかにしてゴーストサイトメトリー®(Ghost Cytometry®、以下GC)技術と出会い、CDマーカー等の細胞表面マーカーに依存した従来解析の限界を突破したのか、その軌跡を辿ります。 Index 課題:直面する“CDマーカー”の限界 解決策:GCがもたらした“細胞形態”という新機軸 結果:形態異常を定量化するインパクト 今後の展望:GCが変える創薬研究 次のステップへ 課題:直面する“CDマーカー”の限界 血液学の研究、特に白血病幹細胞の同定において、フローサイトメトリーは不可欠なツールですが、従来の解析技術には、原理的な制約が存在します。それは、細胞の分類がCDマーカーに対する抗体を用いた蛍光染色に大きく依存している、という点です。 「マウスモデルを用いた基礎研究であれば、遺伝子操作によって特定の細胞を標識し、検証することが可能です。しかし、臨床応用を見据えたヒトの患者サンプルの解析では、そうはいきません。ヒト白血病幹細胞の真のheterogeneityを捉えるには、既存のマーカーに依存する解析手法だけでは限界がありました」と高久先生は振り返ります。目的細胞を十分に絞り込めないことが、解析精度の向上、ひいては白血病幹細胞研究の進展を阻むボトルネックとなっていました。 また、PI(研究責任者)としての視点からは、別の課題も見えていました。世界中の研究室が同じようなマーカーを対象とする以上、そこから得られる知見には限界があります。「従来の手法に固執して追いかけるだけでは、他の研究グループとの差別化が難しく、ブレイクスルーを生み出すことが困難でした。研究の独自性を打ち出すためにも、全く新しい技術的アプローチを必要としていたのです」(高久先生)。 解決策:GCがもたらした“細胞形態”という新機軸 白血病幹細胞研究に、新たな視点を加える可能性を秘めているのが、ThinkCyte社が有するGC技術です。2019年のサイトメトリー学会でこの技術に接した高久先生は、その革新性に直感的な可能性を見出しました。 ※編集部注:本インタビューにおける研究成果は、GC技術を搭載した試作機(左下図)を用いて取得されたものです。同技術は現在、次世代セルソーター「VisionSort®」として製品化されています。 GCの最大の特徴は、独自の技術で取得した細胞の形態情報を基に、AI駆動でラベルフリー且つ高速に解析・分類できる点にあります。既存のイメージングフローサイトメトリーが抱えていた低スループットの課題を克服し、膨大な数の細胞を高速で処理しながら、人の目では捉えられない構造的特徴を把握し、その特徴を有する細胞集団を分取(ソーティング)することが可能です。 「私たちが求めていたのは、既存の抗体による染色の枠を超えた、新しい指標でした。GCなら、熟練の医師や技師が顕微鏡下で感じ取る、“この細胞、何かが違う”という言語化しにくい直感を、AIによって客観的に、(SVMスコアやROC-AUCのような)数値として示せるのではないか、と考えたのです」(高久先生)。「最終的な決め手は、その独自性が他研究との差別化に繋がる、という期待に加えて、臨床サンプル(CML細胞)を用いた予備実験において、CML細胞に対して高い判別能を示した、という有望なデータが得られたことが大きい。この初期結果は、GC搭載装置を用いた共同研究を本格的に始動させる推進力となりました」(高久先生)。 導入にあたっては、順天堂大学の豊富な臨床知見と、ThinkCyte社の高度なエンジニアリング能力がシナジーを発揮しました。「私たちは臨床現場のニーズや医学的知識を持っていますが、最先端の細胞分析装置に関する技術的な専門知識は不十分でした。一方で、ThinkCyte側は独自の技術力をどう臨床的研究に応用すべきか、という知見を探していました。この相互補完的な関係こそが、共同研究を成功させる強みとなりました」(高久先生)。血液内科医としての臨床的視点と、AIによる形態解析という工学的アプローチが融合し、目的の細胞集団を新たな手法で同定するための強固なプラットフォームが構築されました。 結果:形態異常を定量化するインパクト GC技術の価値を最も実感した実験上の瞬間は、GCが提示した未知の細胞集団の存在が、電子顕微鏡によって見事に裏付けられた時でした。これまでのアプローチでは見落とされていた、形態的に異なる細胞集団をGCが抽出し、それを電子顕微鏡で観察した結果、”ミトコンドリアの断片化”という明らかな生物学的特徴が確認されました。「GCによる判別結果が、電子顕微鏡などの既存技術によって裏付けられたとき、この技術の興味深さを実感しました」と高久先生は語ります。 GCの導入は、科学的発見と研究戦略の両面で有望な成果をもたらしました。 “臨床的な直感”の定量化: これまで感覚的に捉えられていた細胞形態の違いを、AIの活用によって客観的且つ定量的に定義できるようになりました。これは、「例えば骨髄異形成症候群(MDS)のような、形態異常が診断の決め手となる疾患において、GCは形態上の違いを数値化できる可能性があります」(高久先生)。「これまで主観に頼らざるを得なかった形態面での判別を、数千~数万個という細胞レベルで統計的に処理できる。これを応用し、早期診断や治療効果予測に繋がる客観的な指標となる可能性も見えてきました。CML以外の様々な疾患にも応用してみたいという発想の広がりが生まれました」(鈴木先生)。 新規マーカーとしての役割: 特定のCDマーカーによって、これまでなら均一と思われていた集団の中に、さらなる不均一性(heterogeneity)が存在することが、GCによって可視化できます。もはや単なる解析装置ではなく、細胞表面マーカーに続く“新たなマーカー”として位置付けられる可能性があります(鈴木先生)。 研究面でのプレゼンス向上: 最先端の“AI × サイトメトリー”技術を研究に取り入れたことは、外部発信にも効果的でした。「学会発表や論文投稿において、GCという独自の技術を採用していることは、研究チームの革新性を象徴する強力なキーワードとなり、共同研究の打診や注目度の向上にも寄与しています」(鈴木先生)。 今後の展望:GCが変える創薬研究 当研究チームは現在、次のステージとして、GCを用いたラベルフリー(非染色)ソーティングによる検証、創薬研究への展開を進めています。抗体染色操作を施さずに細胞を分離・回収できれば、細胞へのダメージや影響を最小限に抑えた状態で、移植実験や機能解析を行うことが可能になり、実施可能な実験の幅が広がります。「特定の病態細胞だけでなく、ゴーストサイトメトリーにより見出される特徴的な細胞集団も含めて分取・解析することで、細胞間の相互作用や微小環境が病態に与える影響を調べられる可能性があります」(鈴木先生)。 次のステップへ 高久先生は、GC技術の価値をこう締めくくります。 「GCは、これまで注目していなかった細胞集団を抽出してくれるだけでなく、“なぜこの細胞は違うのか?”という新しい問いを私たちに投げかけてくれます」。 さらに詳しく知りたい: 順天堂大学との共同研究成果に関する論文はこちら 技術の原理を理解したい: GC技術とその応用事例に関する各種論文はこちら ご自身のサンプルで試したい: あなたの研究課題にGCがどう応えられるか、まずはこちらにご相談 細胞の形態的な違いを感覚的には認識しているものの、それを客観的に表現(言語化・定量化)する手段を探している、形態的な違いを指標として細胞をソートしダウンストリーム解析を試してみたい、あるいは既存のCDマーカーによる細胞分類に限界を感じ、新たな指標を探したいと考えている研究者の方々にとって、GC技術、それを搭載したVisionSortは、まだ見ぬ発見へと導く“新しい眼”になるはずです。 既存のマーカーの枠を超え、細胞が持つ真の顔を解き明かす挑戦を、私たちと共に始めませんか。
細胞の“機能的価値”を評価する: VisionSort®の導入と次世代再生医療への挑戦
再生医療の社会実装を支える“品質”へのこだわり 細胞の性質をどう評価し管理するかという問題は、細胞製品の出荷基準を定めるために必須なだけでなく、基礎研究から臨床に用いられる製品まで一貫して重要な研究開発上の課題です。2026年はiPS由来の細胞製品2品目が初めて条件期限付き承認を得ることができましたが、この段階になってなお、細胞の性質を評価・管理する方法はまだまだ発展途上と言わざるを得ません。細胞の生死や抗体で認識される表面抗原等に頼らず、もし、リアルタイムで、非侵襲的に細胞を評価する指標があればどうでしょうか。細胞の品質管理に関する研究開発も画期的に進展し、より有効性の高い細胞製品を安定的に製造して、細胞治療の普及にも大いに貢献することが期待されます。 株式会社VC Cell Therapy(以下、VCCT)は、“すべての患者さんのために、あらゆる解決策を”というビジョンを掲げ、網膜外層疾患に対する細胞治療の実現を進めています。同社において、研究開発の要となる製造開発と品質管理の両輪を担う増田智浩先生は、従来の評価手法では捉えきれない細胞の品質を見極めるため、ThinkCyte社のゴーストサイトメトリー®(Ghost Cytometry®、以下GC)技術を搭載したセルソーター「VisionSort®」を導入しました。 本記事では、VCCTがVisionSortという新たなツールを武器に、いかにして科学的課題を克服し、再生医療の未来を切り拓こうとしているのか。その導入の経緯から、現場で得られた知見、そして将来の展望までを紹介します。 Index 課題:従来の評価手法が抱える視野の限界とバイアス “生きている”ことと“機能的である”ことの乖離 抗体ベース解析に伴う“先入観”というバイアス 解決策:GCによるラベルフリーかつ客観的な形態解析 形態情報に基づく新たな細胞分取法 教師なし学習がもたらす新たな発見 導入プロセス:ThinkCyte社スタッフとの共創 二段階のトレーニングプログラム 伴走型のテクニカルサポート 結果:新たな評価軸の確立と実用化への手応え 見えなかったものが見えるインパクト 形態解析が新たな評価軸になる可能性 今後の展望:定性的な“手応え”を客観的な“規格”へ 形態情報に基づくQC規格の確立 形態と遺伝子情報を繋ぐ分子基盤の解明 次のステップへ 課題:従来の評価手法が抱える視野の限界とバイアス VCCTの研究チームが直面していた最大のボトルネックは、治療ツールとなるiPS由来分化細胞のQC評価が、“生死判定”というかなり限定された次元に留まっていたことでした。 “生きている”ことと“機能的である”ことの乖離 「従来のQCは、細胞の生存率を測定することが主眼に置かれていました 。しかし、臨床の現場では“生きている細胞がどれだけ元気か、どれだけ移植後に機能を発揮できるか”という、より本質的な評価が求められます。移植組織の品質を担保するためには、従来の生死判定の枠組みを超え、細胞の質的な価値を問う新しいアッセイが必要であるという共通認識が、チーム内で議論されてきました」(増田先生)。 抗体ベース解析に伴う“先入観”というバイアス 当チームは、アポトーシス(細胞死の一種)を指標とした抗体ベースの品質評価も検討していましたが、これにも限界がありました。既存のフローサイトメトリーに代表される、抗体を用いた解析は、あらかじめ“何を見るか”というターゲット分子が定まっていることが前提となります。しかし、複雑な分化過程にある細胞や、未知の表現型(フェノタイプ)を探索するプロセスにおいては、特定のマーカーのみを追うアプローチは視野を狭めてしまうリスクを孕んでいます。「よりバイアスをかけずに品質を評価するには、これまでとは異なるテクノロジーが必要でした」(増田先生)。この科学的誠実さから発したニーズが、GC技術との出会いに結びつきました。 解決策:GCによるラベルフリーかつ客観的な形態解析 上記の課題に対するブレイクスルーとなったのが、ThinkCyte社のGC技術です。VCCTが本技術に注目したきっかけは、その画期性を報じた“Science”誌の論文でした。 形態情報に基づく新たな細胞分取法 本技術の最大の特徴は、従来の蛍光情報に頼らず、細胞の形態情報をAIでリアルタイムに解析し、その特徴に基づいて目的細胞を高速且つ非染色で分取(ラベルフリーソーティング)できる点にあります。再生医療において取り扱う網膜オルガノイドのようなヘテロな(不均一な)細胞集団から、目的細胞だけをラベルフリーソーティングできれば、細胞への物理的・化学的ダメージを最小限に抑えつつ、純度の高い治療用製品を製造することが可能になります。 教師なし学習がもたらす、新たな発見 VisionSort導入の決定打となったのは、UMAP等による次元削減および可視化を含む“教師なし学習”機能が実装されていることでした。 従来のフローサイトメトリーでは、既知マーカーの蛍光強度や種類で細胞を分類するのに対し、VisionSortに搭載された、教師なし学習の機能により、事前に定義できない微細な細胞状態の変化を直感的なマップとして可視化することが可能です。 これにより、何が変化しているのかは分からないが、集団として明らかに異なっている現象を客観的なデータとして抽出できるようになりました。「一見すると差がないように見える細胞集団でも、VisionSortで測定してUMAP解析を施すと、集団の分布が明らかにシフトしていたり、特定の“島”が現れたりすることがあります。これは、形態情報の中に、従来の指標では捉えきれなかった“一部の細胞集団における状態の変化”が隠れていることを示唆しています」(増田先生)。 抗体を用いた“決め打ち”解析ではなく、形態情報をアンバイアストに解析できる点は、研究の初期段階や未知のマーカー探索において、大きな優位性が期待できます。 導入プロセス:ThinkCyte社スタッフとの共創 技術的に新しい分析装置を研究現場に設置、定着させるにはハードルが伴いますが、VisionSortの導入プロセスは段階的且つ細やかに進められました。 二段階のトレーニングプログラム VCCTの場合、東京大学構内(当時)のThinkCyte社で、装置の導入前に納得のいくまで装置を利用いただきました。「まずはThinkCyte社施設に設置されたデモ機で基礎を学び、その後、自施設に導入された装置で自分たちの細胞を用いて応用トレーニングするという、二段階のプロセスを踏みました。この基礎から応用へとシームレスに繋がるステップが、ユーザーの習熟を早め、円滑な業務実装につながりました」(増田先生)。 伴走型のテクニカルサポート 「また、ハードウェアの設置だけでなく、実験後の詳細なレポート提出や事前の丁寧な打ち合わせなど、ThinkCyte社のエンジニアおよびリサーチチームによる細やかなバックアップが、研究プロジェクト遂行上の支えになりました」(増田先生)。これは装置導入のサポートだけでなく、技術の共同開発・社会実装を目指すパートナーシップとしての側面を反映したものになります。 結果:新たな評価軸の確立と実用化への手応え 先行して実施された共同研究では、VisionSortのプロトタイプ装置を用いて、網膜前駆細胞をラベルフリーで分取することに成功し、その成果が論文化に至りました。そして、VisionSortの導入後には、VCCTの研究ワークフローに新たな視点が生まれています。 見えなかったものが見えるインパクト VCCTの場合、現場で最も価値を実感した瞬間はUMAP解析の結果でした。 「比較対象との違いが一部の少数集団に生じる場合、教師あり学習では判別スコア(ROC-AUC)が高くならないことがありました。しかし、同じデータをUMAPで解析したところ、クラスターの位置や分布の広がりが、比較対象と異なっていることが可視化されました」(増田先生)。 形態解析が新たな評価軸になる可能性 「現在では、細胞のフェノタイプを比較する際、従来の分析手法に加えて“形態変化の可能性を考慮してVisionSortで見てみる”が一つの選択肢になりつつあります」(増田先生)。これにより、以前であれば見逃されていたかもしれない、あるいは評価を止めていたかもしれない細胞状態の日常的なスクリーン・アンド・レスキューにつながります。品質の違いを形態情報に基づいて評価できる体制が確立できれば、プロジェクトの意思決定の精度を高め、製造工程のコスト低下と信頼性の向上、許認可の確度向上にもつながります。 また、適切なマーカーが確立されていない初期段階の研究においても、VisionSortは細胞集団の“全体像”を把握するための強力なツールとなり得ます。UMAP上で分離された特徴的な細胞集団を解析することで、将来的な品質管理の指標となる新たな特徴量を抽出する道筋が見えてきました。 「VisionSortによってもたらされた“見えなかったものが見える”という定性的インパクトを、今後は客観的な数値(定量指標)として確立していくことがこれからの挑戦です」と増田先生は語ります。 これは、VisionSortが未知のバイオマーカーや細胞状態を見つけ出す強力な探索ツールとしての真価を発揮する可能性を示しています。適切なマーカーが確立されていない研究段階において、アンバイアストに細胞集団の全体像を把握し、将来の品質管理の指標となる“新たな特徴量を抽出する道筋”を提示してくれるからです。この探索ツールによって見出された“見えなかった細胞の姿”こそ、次なる定量化や規格化といった挑戦に不可欠な出発点となっています。 今後の展望:定性的な“手応え”を客観的な“規格”へ VCCTとVisionSortの挑戦は、まだ始まったばかりです。増田先生は、今後1〜2年で到達すべきマイルストーンとして“定性から定量へ”を掲げています。 形態情報に基づくQC規格の確立 現在は“違いが見える”という定性的な手応えを得ている段階ですが、これをいかにして客観的な数値、すなわち将来的な出荷判定基準や製造プロセス管理指標として確立していくかが、次の課題です。UMAP上の分布の偏りや特定のクラスターの比率を数値化し、それが移植後の生着率や機能維持とどのように相関するかを、蓄積したデータに基づいて定義していく作業が考えられます。「VisionSortから示された定性的な違いを、いずれは客観的な数値として定量化し、製造工程における厳密なQC規格へとブラッシュアップしていきたい」と増田先生は展望を述べています。 形態と遺伝子情報を繋ぐ“分子基盤”の解明 さらにVCCTでは、VisionSortの高速ソーティング機能を本格的に活用し、形態的に異なると判断された細胞集団を実際に分離・回収後、シングルセル遺伝子発現解析等を行う計画です。AIが捉えた“形態的な違い”の裏にある生物学的な意味(分子メカニズム)が解明されれば、GCは再生医療においてこれまでにない“非侵襲的品質判定ツール”へと進化する可能性があります。 次のステップへ 増田先生は、ご自身の経験を踏まえ、以下のような課題を抱える研究者にVisionSortが力になれるのでは、と述べています。 ヘテロな細胞集団の扱いに苦慮している場合 適切な表面マーカーが見つからず、既存の抗体解析に限界を感じている場合 何から着手すべきか不明確な、手探りの状態にある実験の初期段階で、まず全体像を把握したい場合 CRISPR-Cas9などを用いた遺伝的な細胞マーキング(プロモーター:GFPなど)のデータから非侵襲的細胞評価指標を得たい場合 「まずVisionSortで全体像を把握し、マーカーとなりうる特徴を探すといったアプローチが有効だと感じています」(増田先生)。 さらに詳しく知りたい: iPS細胞を対象とした他の解析事例はこちら 技術の原理を理解したい: GC技術とその応用事例に関する各種論文はこちら ご自身のサンプルで試したい: あなたの研究課題にGCがどう応えられるか、まずはこちらにご相談 VCCTの事例は、革新的なテクノロジーが、単なる装置の置き換えではなく、研究者に以下のような新たな視点を提供する可能性を示しています。 形態情報を指標とした細胞の品質管理を日常的に実施することによって、細胞プロダクトの質的な選択精度を高める。 適切なマーカーが確立されていない研究の初期段階において、細胞集団の全体像をアンバイアスに把握することによって、未知のバイオマーカーや細胞状態を見つけ出す。 再生医療の現場において、細胞の“質”を問うことは、患者さんに届ける治療の“安全と信頼”を担保することと同義です。VisionSortは、探索研究から製造開発までを貫く新たなスタンダードツールとなるべく、VCCTの革新的な挑戦を支え続けてまいります。