ヒト間葉系幹細胞のラベルフリー判別

イントロダクション: ヒト間葉系幹細胞(hMSCs)を用いた治療法は、広く入手可能であること、in vitroでの拡大培養が比較的容易であること、いくつかの異なる細胞種に分化する能力があること、免疫原性が限定的であることなどから、さまざまな疾患の治療において有望な新しいアプローチとなっています。ヒト間葉系幹細胞用いた効果的な細胞治療の開発には、拡大能力や治療効果の指標となる表現型の非破壊的評価が必要です。その表現型の一つが細胞増殖です。ヒト間葉系幹細胞in vitroで治療可能な量まで増殖させるには、初期段階で増殖性の高い細胞集団が必要です。細胞の増殖能がその形態に反映れることがあることから、ヒト間葉系幹細胞を用いた細胞治療を開発する初期の段階において、VisionSortにより取得した形態学的プロファイルを基に、増殖能力の高いヒト間葉系幹細胞を判別および分離することができるかどうかを評価しました。VisionSortを使用することで、増殖能の高い、特定の表現型を持つヒト間葉系幹細胞をラベルフリーで分離することができ、細胞治療製品の生産を最適化するための研究開発に利用可能であることを示しました。